...骨を異域の土に埋むるの遙(はるか)に慰む可きものあるを信ぜしなり...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...彼こそは実に一時の不覚より終生を暗き涙の谷に埋むるに至りし露国皇帝其人なれ...
石川啄木 「閑天地」
...二人の身をも埋むる許り...
石川啄木 「葬列」
...目を埋むる好摩(かうま)が原の青草は...
石川啄木 「鳥影」
...恰も縁日にて、近郷の男女老若群集して、廣き境内を埋む...
大町桂月 「越ヶ谷の半日」
...今渡つた小川の板橋から此門に來るまでの徑も草鞋を埋むるほどの雪があつたし...
高濱虚子 「俳諧師」
...また一面には学者と世俗との間に存する誤解の溝渠(みぞ)を埋むる端緒ともなさんとするものなり...
寺田寅彦 「自然現象の予報」
... 10*サーモス・トレーイキエーの緑埋むる高き嶺...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...此等のカッフェーの光景と給仕女の評判記に至っては現代の雑誌新聞の紙面を埋むる好資料である...
永井荷風 「申訳」
...墓地に至り棺を埋むるとき...
中山太郎 「本朝変態葬礼史」
...その時代助は左右の二階家が坂を埋むべく...
夏目漱石 「それから」
...荷を負ひて旅商人(あきびと)の朝立ちしわが隣室も埋むる嵐気これも小河内の夏の朝の光景である...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...埋むとは言い得ぬなり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...埋むとは言ひ得ぬなり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...安井三尺草頭(かしら)を埋む」などと冷やかされた...
森鴎外 「安井夫人」
...満地を埋むるごとき軍隊と...
吉川英治 「三国志」
...洛陽を人と弔旗(ちょうき)に埋むるの大葬を執り行って...
吉川英治 「三国志」
...草鞋を埋むる霜柱を踏んで...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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