...それから指を噛(か)んでいた子供に「さあ、坊ちゃん、お時宜(じぎ)なさい」と声をかけた...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...考えて見れば僕も随分御坊ちゃんであった...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...「私はこの坊ちゃんをよく知ってますよ...
竹久夢二 「朝」
...そろそろお坊ちゃんの入浴の時刻と心得顔で立ち上り...
太宰治 「新釈諸国噺」
...「坊ちゃん、もう眼が覚めましたか」老婆はそこへ起きて来て云った...
田中貢太郎 「狐の手帳」
...お坊ちゃん育ちの餓鬼(がき)大将のようにも取れるが...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...信一と姉の光子は雛段の前に臥そべりながら、豆炒(まめい)りを喰べて居たが、二人が這入って来ると急にくす/\笑い出した様子が、何か又怪(け)しからぬ徒(いたず)らを企んで居るらしいので、「坊ちゃん、何か可笑しいことがあるんですか」と、仙吉は不安らしく姉弟の顔を眺めて居る...
谷崎潤一郎 「少年」
...坊ちゃんは本当に知らないんですね...
豊島与志雄 「黒点」
...廿歳(はたち)ぐらいの時分は定めて可愛らしい坊ちゃんだったろう」父はその男をこう荒っぽく叙述(じょじゅつ)しておいて...
夏目漱石 「行人」
...よし坊ちゃんも、にいさんやねえさんたちも、おとなになるんですよ...
新美南吉 「病む子の祭」
...そんなものをおごられる方が迷惑だ」これは金持の坊ちゃん...
野村胡堂 「青い眼鏡」
...おそいので坊ちゃん怒ってらっしゃるわ...
林芙美子 「新版 放浪記」
...十一月十七日(土曜)昨夜書いた「坊ちゃん」を鏑木に放送局へ持たしてやる...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...八時四十五分からラヂオ小説「坊ちゃん」をやる...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...やがて煙草屋の店先の柳の葉も延びきったころには全く私に飽きてしまって坊ちゃんはもはや大将としての尊敬は失われて金ちゃんの手下の一人に過ぎなかった...
水上滝太郎 「山の手の子」
...あちらの旦那様もお坊ちゃんも金壺眼できょろきょろ御らんになる様子ったら...
矢田津世子 「神楽坂」
...高等工業にいたとかいうがチョットお坊ちゃん風のいい男だよ...
夢野久作 「近眼芸妓と迷宮事件」
...その時お父様もお母様も坊ちゃんも楽しいお昼の御飯を食べていました...
夢野久作 「ドン」
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