...異様(いよう)な地響(じひびき)が伝わるのと...
海野十三 「未来の地下戦車長」
...だからつまり、あの地響きは、――海上から化け物が投げ込んだ暴れ石に、旋回機が砕かれたときに傷ついたロープが、そのあとだんだん痛んでいって、ついに切れて自然に分銅が落ちて地響きがした――などというのではなくて、友田看守を殺し、あのランプ室の破壊をぼくがいま言ったような方法で行った怪人物が、一端を分銅の把手(とって)のひっとき結びの端へ縛り他の一端をランプ室で手もとへ残しておいたところの、あの細紐を、破壊後に引っ張ると、果してひっとき結びは解けて、それまで途中にぶら下っていた分銅は、俄然(がぜん)円筒底へ落ちる...
大阪圭吉 「灯台鬼」
...床に地響きをさせながら...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...人間の集団の彼方へ動き此方へ動く地響きとが...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...アイアース彼の帶射て影長き 615槍に下腹部貫ぬけば地響なしてどうと伏す...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...どうとばかり地響き打って相沢が地にたおれた...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...地響き打たせて浜に砕けるのを見ると...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...大声でしかも地響のする声量で私は呼ぶ...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...地響きをたてて省線の電車の音がしてゐる...
林芙美子 「浮雲」
...電車の地響きが耳につくところだつたが...
林芙美子 「浮雲」
...夜更けの街道をトラックが地響きをたてて坂を降りて行く...
林芙美子 「新版 放浪記」
...大きな座蒲団の上に地響きを立てて胡坐(あぐら)をかくと...
久生十蘭 「魔都」
...走り出すと恰で馬力(トラツク)が駆け出したかのやうな地響きを挙げ...
牧野信一 「熱海線私語」
...大熊はその場に地響きさして...
宮原晃一郎 「熊捕り競争」
...この頃は夜中にもひどい地響を立ててひどい速力で通ります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...遠くからズシンズシンと地を伝わって来る地響きの震動を枕上にきき...
柳田国男 「故郷七十年」
...木の裂ける音や鈍い地響きや...
山本周五郎 「さぶ」
...腹を見せた石亀のまろぶ地響きと同時に...
吉川英治 「新・水滸伝」
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