...地袋の上にも本がのせてあつたが...
小穴隆一 「二つの繪」
...俺は床の間の横の地袋のなかに隠しておいた...
高見順 「いやな感じ」
...その地袋に顎(あご)を向けて...
高見順 「いやな感じ」
...地袋の棚の上に竹筒の花瓶があるので...
豊島与志雄 「広場のベンチ」
...南向きの縁側の左の端が私の室で、室内の左手、東側に、地袋があり、その地袋の上の棚から鴨居の高さまでが、窓になっている...
豊島与志雄 「窓にさす影」
...「おやっ?……」「あっ……」とお蝶はあわてて地袋の中へそれを戻して...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...地袋の手箱から「極内不可認」という朱判の据わった...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...屋根の棟から忍返しを越えて右足をまず地袋の棚の上へ置く...
久生十蘭 「魔都」
...少し躰を浮かせるようにして左足を地袋の上へ引き込む...
久生十蘭 「魔都」
...地袋の板の上に微かに薄黒い丸い跡が残っていて...
久生十蘭 「魔都」
...地袋の上へ何か敷いてくれ...
久生十蘭 「魔都」
...地袋(じぶくろ)の棚に...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...寝室の地袋戸棚の中には...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...地袋にくぐり入って...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...アイロンが小さい地袋の上に光っている...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...初めに見たゆき子宛の脅迫状は、書簡箋(レターペーパー)にインキでかいてあったが、その筆蹟はどうしても筆記(ノート)を永年やりつけた者か、職業的にペンを使用する人に通有の癖があったから、智識階級の仕事だと睨んだ、これが第一歩だが君は娘の部屋を見たね、鏡台の抽出(ひきだし)と机を除いて、余り冷たく生帳面(きちょうめん)に整理されてあったよ、娘の部屋として不似合にね、箪笥は平素錠を下さない癖らしく一番上の、比較的高貴でない品を入た抽出だけ常に錠を掛けてあってそこには既に何等の秘密も蔵(かく)されてなかった、地袋の中には、汚れや傷(いた)み方(かた)から観察して新年に一度か二度使用した歌留多があったね、賢い女だが昨年度の日記を葬ってしまわなかったのと、下女に買物させるに菓子を撰んだことは捜査上非常に推理を容易ならしめた、菓子箱には未だ沢山あったよ...
山下利三郎 「誘拐者」
...その左に袋棚(ふくろだな)と地袋の床脇がある...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...店の地袋(じぶくろ)へ...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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