...すゑに扇の地紙の形をきりのこす...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...先生は手紙を貰はれますと初めと終りの餘白を切りとられて適當な扇の地紙形にお切りになりまして一々壽の字をおかきになります...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...北陸から東北へかけての山々には、ちょっと拾って見ても、妙高の農牛、黒姫の寐牛、焼山の蝙蝠、白鳥山の鳥、米山の鯉、地紙山の地紙、飯豊山(いいでさん)の牛岩などがある...
中村清太郎 「残雪の幻像」
...地紙(じがみ)に塗った銀泥(ぎんでい)をきらきらさせながら水に落ちる景色は定めてみごとだろうと思います...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...何? 地紙売の綾吉が居ねえ」植幸の親爺は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...力兄哥」「せっせと地紙を折っているよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...精が出るね」地紙売の綾吉の長屋の前に差しかかった時...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...地紙売というと、元禄以前から寛政のころまで流行った商売で、江戸では一番粋な稼業にされておりました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...四月頃から気のきいた単衣(ひとえ)に、足袋、雪駄(せった)履きの姿で、地紙型の箱に、扇の地紙を入れそれを両懸にして、「地紙、地紙、地紙扇」と呼び歩き、呼込まれると、即座に折って渡すか、手の込んだのは、註文だけ聞いて、翌る日届けるようにしたものです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...地紙売は大抵若い良い男で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...地紙売を商売にしながら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...地紙売とが住んで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...地紙賣りも季節外(しゆんはづ)れだし...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...二絃琴を描いてあとは地紙(じがみ)ぢらしにして名とりの名を書いたりした...
長谷川時雨 「神田附木店」
...おきせに再縁をすすめにくる地紙売の竹六が...
正岡容 「我が圓朝研究」
...他の座敷も額張りから地紙(じがみ)まで...
山本周五郎 「さぶ」
...種々な輸出物の地紙に胡粉(ごふん)絵を画いていた...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...扇子(せんす)の地紙だの...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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