...相島は地味な衣服を着た居竝んだ一群の婦人席を一寸顧みて末席に腰を下した...
有島武郎 「半日」
...地味な柄の光らぬ単衣(ひとえ)物...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...身装(みなり)の地味な婦人がたづねて来て...
薄田泣菫 「茶話」
...商売柄に似ぬ地味な好みから...
近松秋江 「黒髪」
...妹婿がいつもの地味な浴衣をくつろげ姪にからかいながらラムネの玉を抜いていた姿がありあり浮ぶ...
寺田寅彦 「障子の落書」
...もう一人ねずみ色の地味な服を着た色の白い鼻の高い若い女は沈鬱(ちんうつ)な顔をしてマンドリンをかき鳴らしている...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...卵、青虫、さなぎ、どれも地味な、美しくない姿ですね...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...まず地味な科学的調査と研究とをやることが必要である...
中谷宇吉郎 「「もく星」号の謎」
...地味な和服を着ては居りますが...
野村胡堂 「踊る美人像」
...ほのかに葡萄(ぶどう)がかった灰色薄ラシャの地味な洋装に...
野村胡堂 「女記者の役割」
...男物のような地味な単衣(ひとえ)を着ているのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ひどく地味な男です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...」といふことに苦心慘憺してゐる一人の地味な詩人の姿のみが在るやうになる...
堀辰雄 「「青猫」について」
...わたくしの地味な黒服でギャロウェイお嬢様は伯爵夫人邸へ行き...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...博士は地味な銘仙の二枚襲に...
森鴎外 「半日」
...これからは出来るだけ地味ななりをいたしませんと」おきえさんは俯向いて...
矢田津世子 「父」
...しかし心持地味なお納戸(なんど)の着物に...
夢野久作 「少女地獄」
...地味な縞(しま)ものを着た手代(てだい)風の男であった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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