...嘗てナポリに在りしとき...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...もと水戸侯の邸宅の在りし處...
大町桂月 「小石川臺」
...其木の上に在りしに...
高木敏雄 「比較神話学」
...海浜にて花摘みつつ在りし時...
高木敏雄 「比較神話学」
...かの白痴にちかき情人の写真しのばせ在りしロケットさえも...
太宰治 「創生記」
...すべての主義と世の動きとをよそに在りし日を夢みる階級――それらの露西亜人とその家族たちが...
谷譲次 「踊る地平線」
...それにしても今日の大阪は検校が在りし日の俤(おもかげ)をとどめぬまでに変ってしまったがこの二つの墓石のみは今も浅からぬ師弟の契(ちぎ)りを語り合っているように見える...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...角田竹冷等と略々伯仲の間に在りしものなり然るに今や彼れは多數の先輩を凌駕して...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...其意唯だ一時を糊塗するに在りしは決して疑ふ可からず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...空(むな)しき心のふと吾に帰りて在りし昔を想い起せば...
夏目漱石 「幻影の盾」
...きのふからギイ・ド・プウルタレスの「伊太利に在りし日のニイチェ」といふ本を讀み出してゐる...
堀辰雄 「Ombra di Venezia」
...嘗て在りし者の知識及び認識としてではない...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...日本に送り還されて暫時(しばらく)諸處の病院に在りし後明治三十九年十二月二十一日彼の最も嫌ひなりし大阪の地に死にぬ...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...其素志は攘夷に在りし由に有之候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...ある時はわが大学に在りしことを聞知(ききし)りてか...
森鴎外 「みちの記」
...神がこの世に在りし日の名は玉めがといい...
柳田国男 「海上の道」
...友人たちはみな在りし日のことのみ...
吉川英治 「折々の記」
...亡き良人(ひと)の前へ亡き良人(ひと)の在りし日の通りに...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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