...我在りと自覚するに頗(すこぶ)る朦朧(もうろう)の状態にあった...
泉鏡花 「おばけずきのいわれ少々と処女作」
...景気づいたから手明きの挽子どもを在りったけ呼(よん)で来た...
泉鏡花 「婦系図」
...もと水戸侯の邸宅の在りし處...
大町桂月 「小石川臺」
...知らず、墨陀の二嬌、今在りや無しや...
大町桂月 「月の隅田川」
...ここから三里はなれた山麓の寒村に在りまして...
太宰治 「男女同権」
...またはこれらの職に在りし者...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...彼らは戦場に在りては勇敢なる下士となり...
新渡戸稲造 「武士道の山」
...いかなる幾何学の論証も在り得ないのである...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...在りのまゝの物体を在りのまゝに見すぎると喪心するものだからね……」好くも斯んな細い声が出るものかと吾ながら驚かされる程の細い声で...
牧野信一 「凩日記」
...在りのままの言葉が在りのままに通ずる「ほんたうの世界」での面会は差し控へた方が好からうと思つた...
牧野信一 「沼辺より」
...竹に花の出ること熱帯地方に在りては普通の事に属すと雖ども...
牧野富太郎 「植物記」
...あっちの方へ力点づけた在りようで云われることは...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...願わくはわれに汝が在りのままの姿を見させよ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...故に海濱に在りと曰ふ...
司馬遷 箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
...鏡台の前のポマードを手探りにコテコテ頭を塗りつけて在り合う櫛(くし)で念入りに二つに分けた...
夢野久作 「女坑主」
...達人ともいうべき人が自殺する……そんな事が果して在り得ようか...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...地獄というのがそこらに在ります...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...在りし日のことが夢にも通ってくる...
吉川英治 「平の将門」
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