...半分割れた土釜(どがま)が一つ...
海野十三 「空襲葬送曲」
...押入はなく、埃で白い二三の風呂敷包、バスケット、土釜、鍋鉢の炊事道具の類、それに小さな置鏡、化粧水の瓶なぞが棚を吊つて載せられてあり、壁にはりつけられ、一方の隅の破れてゐる新聞附録ものらしい美人画は、彼ら兄弟の扮装のモデルであらう...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
...自分で炊事できるだけの道具――土釜...
直木三十五 「死までを語る」
...ビスケットは形同じけれども歯グキにねばりつきて歯を害し石鹸はその減り方例えば堅炭と土釜の如き差別あり...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...ちょうど炭屋が土釜(どがま)を台所へ担(かつ)ぎ込んだ時のように思われた...
夏目漱石 「坑夫」
...土釜の炭俵のごとく認定される...
夏目漱石 「坑夫」
...小さな土釜(どがま)に米を研いで入れて...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...土釜のふたを取ってみたけれども...
林芙美子 「クララ」
...土釜(どがま)や茶碗や...
林芙美子 「新版 放浪記」
...ありったけの米を土釜に入れて井戸端に出て行った...
林芙美子 「新版 放浪記」
...ありったけの一升ばかりの米を土釜に入れて...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...二畳の部屋には、土釜や茶碗や、ボール箱の米櫃や、行李や、机が、まるで一生の私の負債のようにがんばって、なゝめにひいた蒲団の上に、天窓の朝日がキラキラして、ワンワン埃が縞のようになって流れて来る...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...土釜を七輪に掛けて...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...途中で炭が減って火が弱くなりましたら脇の七輪で火を起して折々継ぎ足さなければなりません」小山「テンピに使う炭は何がいいのです」お登和嬢「土釜(どがま)の上等がようございますね...
村井弦斎 「食道楽」
...立消(たちぎえ)のしない上等の土釜を起してテンピの上へ載せておきますが二...
村井弦斎 「食道楽」
...菓子を焼く時は土釜の如き柔き火力を良しとす...
村井弦斎 「食道楽」
...めしは土釜で炊くのがいちばんうまいんだぞ」と寒藤先生がきめつけた...
山本周五郎 「季節のない街」
...土釜(どがま)でめしを炊き...
山本周五郎 「季節のない街」
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