...長吉は傍におろしてあった土瓶をそっと執(と)って火鉢にかけた...
田中貢太郎 「春心」
...そしてとろ火で湯を沸かしてある支那製の古い土瓶について説明して聞かした...
徳田秋声 「黴」
...鍋(なべ)や土瓶(どびん)のやうなものが...
徳田秋声 「チビの魂」
...彼女は枕頭(まくらもと)の土瓶に插して眺めて喜んだ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...土瓶の中には黄金色の清酒(すましざけ)が溢れるほど満ちていることは...
中里介山 「大菩薩峠」
...周圍(しうゐ)の臺地(だいち)からは土瓶(どびん)の蓋(ふた)をとつて釣瓶(つるべ)をごつと傾(かたむ)けたやうに雨水(あまみづ)が一杯(ぱい)に田(た)に聚(あつま)つて稻(いね)の穗首(ほくび)が少(すこ)し浸(ひた)つた...
長塚節 「土」
...田圃(たんぼ)も堀(ほり)も一(ひと)つに成(な)つた水(みづ)は土瓶(どびん)の口(くち)から吐(は)き出(だ)すやうに徐(おもむろ)に低(ひく)い田(た)へと落(おち)る...
長塚節 「土」
...土瓶の口から直かにこぼしたに違いあるまい」「自分の首へ凧糸を巻いて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...つまり一般に土瓶面といわれている顔の持主であった...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...ただ私はこう注意しよう、もっと作るものの範囲を拡(ひろ)げて、卓上で日々使う器物、皿、茶碗、土瓶、鉢等々にも仕事を進める必要がある...
柳宗悦 「雲石紀行」
...ちゅうかあ(酒土瓶(どびん))...
柳宗悦 「現在の日本民窯」
...汽車土瓶も一時この村で引受けて盛に作りました...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...わずかばかりの金を払って背負い嚢(ぶくろ)に天目(てんもく)の土瓶(どびん)やら...
柳宗悦 「日田の皿山」
...土瓶絵の性質が髣髴(ほうふつ)と浮ぶように感じられます...
柳宗悦 「益子の絵土瓶」
...誰の伴侶(はんりょ)にもなる土瓶であってこそよいのであります...
柳宗悦 「益子の絵土瓶」
...事もなく描かれた絵土瓶を見ても...
柳宗悦 「益子の絵土瓶」
...絵土瓶は、そう吾々に訓(おし)えてはいないでしょうか...
柳宗悦 「益子の絵土瓶」
...彼女は台所へ戻ると又土瓶を冠って湯を飲んだ...
横光利一 「南北」
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