...皆(みんな)の顔が土気色(つちけいろ)になって見えてよ...
泉鏡花 「海異記」
...顔は肺病やみの様に土気色(つちけいろ)で...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...土気(つちけ)色のオドオドした顔といった方がいいのかも知れません...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...最近は特に色つやが悪くて土気色(つちけいろ)をしている...
谷崎潤一郎 「鍵」
...顔は土気色で、紫の唇が息を出し入れするたびに泡を吹く――虫の息だ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「株式仲買人」
...伯父は下唇を曲げ、目玉をひん剥いて、頬も土気色、目の先にはわなわなする手にまだ掴んでいる封筒、「KKK!」と伯父は叫んだのです、そして『主よ主よ、罪の報いだ!』と...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「橙の種五粒」
...土気の中の一都会だから風情のないことは夥しい...
中里介山 「武州喜多院」
...足利時代の土佐派をもって浄土気分のあるものといい得るかも知れぬ...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...土気色(つちけいろ)になった頬のあたりから滴(しずく)をたらしているところなどは...
久生十蘭 「肌色の月」
...顔色は蒼味(あおみ)七分に土気三分...
二葉亭四迷 「浮雲」
...すなわち上総山部郡の土気地方では...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...しかるにここに面白いのは千葉県上総の土気(とけ)辺では今日なお昔の通りホウコグサを用いる事が遺っているとの事である...
牧野富太郎 「植物記」
...口惜しゅうて死ねぬ、いつまでつづくこの世の苦艱(くげん)、焦熱地獄)――たしか、こんなものであろうな? お若いお方?」サーッと、青ざめた若者は、口が利(き)けなくなったように、土気いろの唇を、モガモガやったが、やっとの事で、「あなたはどなた様? この私さえ、それを見るのが恐ろしゅうて、覗こうともせぬ、護り袋の秘文――狂うた父が、いつ気が静まった折に書きのこしたか、死後に遺(のこ)っておりました文――それを、あなたが、まあ、どうして?」と、吃(ども)り吃り身を震わせながら言うのを聴くと、編笠の中で、かすかな、乾いた笑いがきこえたようであった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...土気いろの唇をぬらした...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...『後漢書』東夷列伝に、〈倭(わ)韓の東南大海中にあり云々、その地おおむね会稽(かいけい)東冶(とうや)の東にあり、朱崖耳(たんじ)と相近く、故にその法俗多く同じ云々、土気温暖、冬夏菜茹(さいじょ)を生じ牛馬虎豹羊鵲(じゃく)なし〉...
南方熊楠 「十二支考」
...たちまち顔を土気色にした...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...土気色になった自分の顔いろを...
吉川英治 「宮本武蔵」
...土気いろになって...
吉川英治 「宮本武蔵」
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