...顔色の土気色をしているのと...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...土気(つちけ)色をして...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...顔色は土気色(つちけいろ)に沈んでいるのに...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...土気色になってもう命の瀬戸ぎわ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...それにこの恐(おッそ)ろしい臭気は! 随分と土気色になったなア! ……これで明日(あす)明後日(あさって)となったら――ええ思遣られる...
ガールシン 二葉亭四迷訳 「四日間」
...間もなくその姿が現われたが、それは普通の労働者ではなく、黒の学者服を身にまとった、脊丈(せい)の高い、痩せた、土気色をした、弱よわしそうに見える男であった...
ホーソーン Nathaniel Hawthorne 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...すなわち上総山部郡の土気地方では...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...口惜しゅうて死ねぬ、いつまでつづくこの世の苦艱(くげん)、焦熱地獄)――たしか、こんなものであろうな? お若いお方?」サーッと、青ざめた若者は、口が利(き)けなくなったように、土気いろの唇を、モガモガやったが、やっとの事で、「あなたはどなた様? この私さえ、それを見るのが恐ろしゅうて、覗こうともせぬ、護り袋の秘文――狂うた父が、いつ気が静まった折に書きのこしたか、死後に遺(のこ)っておりました文――それを、あなたが、まあ、どうして?」と、吃(ども)り吃り身を震わせながら言うのを聴くと、編笠の中で、かすかな、乾いた笑いがきこえたようであった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...『後漢書』東夷列伝に、〈倭(わ)韓の東南大海中にあり云々、その地おおむね会稽(かいけい)東冶(とうや)の東にあり、朱崖耳(たんじ)と相近く、故にその法俗多く同じ云々、土気温暖、冬夏菜茹(さいじょ)を生じ牛馬虎豹羊鵲(じゃく)なし〉...
南方熊楠 「十二支考」
...篤信が引いた『旧事記』は怪しい物となし措(お)くも、保食神の頂より牛馬化(な)り出(で)しと神代巻一書に見え、天斑馬(あまのぶちこま)の事と、日子遅神(ひこじのかみ)、片手を馬鞍に掛けて出雲より倭国に上った事とを『古事記』に載すれば(『古今要覧稿』五〇九)、〈牛馬なし〉と書いた『後漢書』は、まるで信(うけ)られぬようだが、この他に史実に合った事ども多く載せ居る故、一概に疑う事もならず、地理の詳細ちょっと分りにくいが、朱崖耳という小地に近く、土気温暖、冬夏菜茹を生ずる日本の一部分、もしくは倭人の領地に、牛馬がなかったと断ずべしだ...
南方熊楠 「十二支考」
...これ土気上升(じょうしょう)し...
南方熊楠 「十二支考」
...ほとんど土気色の顔をして...
三好十郎 「冒した者」
...殆んど土気色である...
三好十郎 「好日」
...討伐張繍!土気は新鮮だった...
吉川英治 「三国志」
...殿(でん)ノ法印(ほういん)もふたたびそれに追いすがる気力を土気色な顔に失っていた...
吉川英治 「私本太平記」
...面を土気色にしているのであった...
吉川英治 「私本太平記」
...土気(つちけ)いろを帯びた顔して云った...
吉川英治 「新書太閤記」
...土気いろの顔を見せた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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