...同様に土気色になり眼をつぶり...
田中英光 「さようなら」
...最近は特に色つやが悪くて土気色(つちけいろ)をしている...
谷崎潤一郎 「鍵」
...土気を過ぎると小さなトンネルがあった...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...顔色は土気色(つちけいろ)に沈んでいるのに...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...顔が土気(つちけ)色になり...
久生十蘭 「キャラコさん」
...土気(つちけ)というものは更々(さらさら)ない...
久生十蘭 「藤九郎の島」
...顔色は蒼味(あおみ)七分に土気三分...
二葉亭四迷 「浮雲」
...すなわち上総山部郡の土気地方では...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...しかるにここに面白いのは千葉県上総の土気(とけ)辺では今日なお昔の通りホウコグサを用いる事が遺っているとの事である...
牧野富太郎 「植物記」
...かみそりの当った土気色の顔に...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トビアス・ミンデルニッケル」
...そして狭い部屋の空気で土気色になった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「悩みのひととき」
...『後漢書』東夷列伝に、〈倭(わ)韓の東南大海中にあり云々、その地おおむね会稽(かいけい)東冶(とうや)の東にあり、朱崖耳(たんじ)と相近く、故にその法俗多く同じ云々、土気温暖、冬夏菜茹(さいじょ)を生じ牛馬虎豹羊鵲(じゃく)なし〉...
南方熊楠 「十二支考」
...篤信が引いた『旧事記』は怪しい物となし措(お)くも、保食神の頂より牛馬化(な)り出(で)しと神代巻一書に見え、天斑馬(あまのぶちこま)の事と、日子遅神(ひこじのかみ)、片手を馬鞍に掛けて出雲より倭国に上った事とを『古事記』に載すれば(『古今要覧稿』五〇九)、〈牛馬なし〉と書いた『後漢書』は、まるで信(うけ)られぬようだが、この他に史実に合った事ども多く載せ居る故、一概に疑う事もならず、地理の詳細ちょっと分りにくいが、朱崖耳という小地に近く、土気温暖、冬夏菜茹を生ずる日本の一部分、もしくは倭人の領地に、牛馬がなかったと断ずべしだ...
南方熊楠 「十二支考」
...義一に首をしめられた友吉の顔が次第に土気色になって...
三好十郎 「その人を知らず」
...その顔を土気色にしている...
三好十郎 「胎内」
...殿(でん)ノ法印(ほういん)もふたたびそれに追いすがる気力を土気色な顔に失っていた...
吉川英治 「私本太平記」
...土気(つちけ)いろを帯びた顔して云った...
吉川英治 「新書太閤記」
...土気色になった自分の顔いろを...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索