...両側から流れ寄つて来るみたいな泥の海に掻き残された大きな土塊の島が浮ぶ...
伊藤永之介 「押しかけ女房」
...ぐつしやり一まとめに土塊のやうに置いてあつた...
伊藤左千夫 「奈々子」
...この土塊(つちくれ)のお蔭でこれが漸(ようや)く明るくなったような気がする...
伊波普猷 「土塊石片録」
...敬二は鼠(ねずみ)のように逃げだしてビルの崩れた土塊(どかい)の上によじあがった...
海野十三 「○○獣」
...ちょうど土塊をおし分けて...
薄田泣菫 「初蛙」
...土塊(つちくれ)を一つ動かし物芽出づ三月十三日 笹鳴会...
高浜虚子 「六百句」
...元(もと)の土塊(つちくれ)へ歸(かへ)りをれ...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...そこに堆積(たいせき)した土塊のようなものはよく見るとみな石炭であった...
寺田寅彦 「写生紀行」
...畑土を鋤でおこした場合に土塊の面に出来る細かい割れ目と非常によく似ている...
中谷宇吉郎 「凍上の話」
...鉱塊(あらがね)土塊(つちくれ)を相手に...
夏目漱石 「坑夫」
...初めはエトナを一つの大きな土塊として遠く眺めていたが...
野上豊一郎 「エトナ」
...その土塊(くれ)を集めて鼻紙に包みます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...知覺も、感情も、意志も、悟性も、すべての意識が消滅して、土塊と共に、永遠の無に歸するであらう...
萩原朔太郎 「宿命」
...渺たる一個の遊星にすぎぬ地球というこの土塊は...
久生十蘭 「南極記」
...練りあがつた土塊を掌に載せて...
牧野信一 「心象風景」
...一気に両掌の土塊を柱に固めつけた...
牧野信一 「心象風景」
...各自(てんでん)に土塊(つちくれ)を蹴上げながら蹴散らしながら飛んで行く...
三島霜川 「解剖室」
...畦草(あぜぐさ)の土塊だの石コロに変ってしまい...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
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