...収穫小屋の後ろにはおおかた耡(す)き返されて大きな土塊のごろごろする畑が...
有島武郎 「フランセスの顔」
...与謝野君ですか……与謝野君の玉と珍重する材料を僕はつまらぬ土塊(つちくれ)をひねくって居るように見えてならないです...
伊藤左千夫 「子規と和歌」
...形の崩れた土塊になつて了ふのだ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...この土塊(つちくれ)のお蔭でこれが漸(ようや)く明るくなったような気がする...
伊波普猷 「土塊石片録」
...代赭(たいしゃ)色の巨大な土塊の堆積(たいせき)であった...
梅崎春生 「桜島」
...どッどこに……」「さあ――」と警部が不図(ふと)傍(かたわ)らの土塊(どかい)に眼をうつしますと...
海野十三 「崩れる鬼影」
...彼は土塊(どかい)の下に馬鈴薯とは見えずしてむしろ醜怪な円屋根形(まるやねがた)の頭をもった...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「作男・ゴーの名誉」
...浮紋とは土器の面上に他の土塊を添へて作りたるものの謂なり...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...天蓋(てんがい)は石(いし)や土塊(つちくれ)……其(その)撒(ま)いた草花(くさはな)に夜毎(よごと)に香(かほ)る水(みづ)を注(そゝ)がう...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...この土塊の円筒の頂上へ握りこぶしをぐうっと押し込むと...
寺田寅彦 「空想日録」
...黒くて柔らかい土塊(つち)を破って青い小麦の芽は三寸あまりも伸びていた...
徳永直 「麦の芽」
...身を屈めて石塊か土塊かを探したが...
豊島与志雄 「特殊部落の犯罪」
...石や粘土塊をふるって土を籠に入れる...
中島敦 「光と風と夢」
...頭が暗い土塊になつて...
中原中也 「山羊の歌」
...その土塊(くれ)を集めて鼻紙に包みます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一握りの分量宛に土塊を砕きとつて水に浸し...
牧野信一 「心象風景」
...未だ石地蔵ほどの人間味も現れてゐない「私」の土塊を...
牧野信一 「心象風景」
...土塊(どかい)の群れを思わせる将士の列はいつまで何の声だになかった...
吉川英治 「私本太平記」
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