...両側から流れ寄つて来るみたいな泥の海に掻き残された大きな土塊の島が浮ぶ...
伊藤永之介 「押しかけ女房」
...形の崩れた土塊になつて了ふのだ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...代赭(たいしゃ)色の巨大な土塊の堆積(たいせき)であった...
梅崎春生 「桜島」
...傍らの堆高(うずたか)い土塊に気がつかなかったのです...
海野十三 「崩れる鬼影」
...いままで崩れた土塊をおこしていたらしく...
海野十三 「○○獣」
...わざと土塊(つちくれ)をほうり込んだりするんですッて...
田山花袋 「田舎教師」
...皆不折が書いたので水彩の方は富士の六合目で磊々(らいらい)たる赭土塊(あかつちくれ)を踏んで向うへ行く人物もある...
寺田寅彦 「根岸庵を訪う記」
...余は土塊(つちくれ)を投げつけた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...彼はその中に自分と同じ魂を見出した――土塊に執着してる土地の子をではなく...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...蝮蛇は之を路傍に見出した時土塊でも木片でも人が之を投げつければ即時にくるくると捲いて決して其所を動かない...
長塚節 「太十と其犬」
...遠(とほ)くから土塊(どくわい)を擲(ほ)つたり...
長塚節 「土」
...其方(そち)の土塊(つちくれ)から出来ている体が顫(ふる)えた時には...
ホフマンスタアル Hugo von Hofmannsthal 森鴎外訳 「痴人と死と」
...私の手から飛んだ濡りを含んだ土塊が...
牧野信一 「鬼の門」
...切り崩せない堅さの土塊(つちくれ)であつた...
牧野信一 「心象風景」
...土塊(つちくれ)と一しょに金(きん)の這入った壺を掘り出す...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...土塊を持って来て気狂いを装ったのであろうか...
山本周五郎 「藪落し」
...一塊の土塊(どかい)に寄せるべく余りに彼の情涙は熱かった...
吉川英治 「剣の四君子」
...からかッてやろうかしら」手にさわった土塊(つちくれ)をつかんで...
吉川英治 「神州天馬侠」
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