...眼で見ただけの固いカサブタだらけの杭のほうが気味悪く思い出された...
高見順 「いやな感じ」
...馬鹿固い英吉利(イギリス)の人の仕事だけに...
谷譲次 「踊る地平線」
...むしろ年中窮屈さうに不服ありげに無口で固い顔をしてゐる茂子が...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...肴(さかな)はナマリブシの固い煮付けと胡瓜(きゅうり)もみと鶏卵にささげの汁とであった...
田山花袋 「田舎教師」
...地盤の固いこのへんの平家でこれくらいだから...
寺田寅彦 「断水の日」
...原子も固い粒じゃなくて...
永井隆 「長崎の鐘」
...こいつは少し固いや」海道丸の声と共に...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...煙草を火鉢の固い灰に突き差したが...
林芙美子 「浮雲」
...小さな殻の固いかたまり...
原民喜 「鎮魂歌」
...固い表情のまま相手はそれでも私について喫茶店に入つた...
原民喜 「二つの死」
...少し固い感じの娘だ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...固いものが突っかけてきて...
久生十蘭 「キャラコさん」
...固い結び目で結んであった』と書いてあるね...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...そしてひどい近眼の彼は、片目金ごしに、その固い視線を、「存在を分裂させるやうなリズムをもつた音樂に、意識を失はせるアルコールに」身をまかせてゐる彼の友人達の上に注いでゐた...
堀辰雄 「レエモン ラジィゲ」
...さういふ義理固い変らない心も何か僕に応へるものがあつた...
室生犀星 「鉄の死」
...固い殻の中に閉じこもっている自分が...
山本周五郎 「さぶ」
...何かしら固いものに衝突(ぶっつか)って眼の前がパッと明るくなった...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...莟のまだ固い紫陽花の叢に指さきを触れ...
横光利一 「旅愁」
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