...君の心は妙にしんと底冷えがしたようにとげとげしく澄み切って、君の目に映る外界の姿は突然全く表情を失ってしまって、固い、冷たい、無慈悲な物の積み重なりに過ぎなかった...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...固い物体の大きな一片を持ち出して...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...その夜は固い布団二枚の間に身をよこたえ――かけ布団が身体を中軸にシーソーをしていたっけ――あくる朝早く...
石川欣一 「山を思う」
...足駄の跡は窓から五間程で固い地面に消えていたので...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...ごわごわした固い布地の黒色パンツひとつ...
太宰治 「創生記」
...今のところやや固い目の流動物のみを与える...
谷崎潤一郎 「鍵」
...彼はこの若者の革ほどに固い手を取り...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...口の固い者を一人...
直木三十五 「大岡越前の独立」
...固い褞衣(どてら)の中から...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...人がいろいろのことをいいまさあ」「なかなか固いという者もあれば...
中里介山 「大菩薩峠」
...固い表情をした一座へ振り向きもせず...
野村胡堂 「判官三郎の正体」
...そこの坂の固い鋪道を靴の音を数へながら歩いてゐた...
原民喜 「魔のひととき」
...日本を離れるときのママとの固い約束だったんですからね...
久生十蘭 「キャラコさん」
...固い小さい肉躰、頑固で可愛い歩調、青い透明な病的な顔、何といふ頼母しい美しさであらう...
室生犀星 「愛の詩集」
...英人でなくともこういう地位の人は物固い...
柳田国男 「木綿以前の事」
...固い物が喉(のど)へこみあげて来て...
山本周五郎 「おばな沢」
...ほかの盗児にない一種の洒落気(しゃれけ)や小義理の固いところがあると聞いていたのを思い合せて...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...つまり有馬の家臣らの固い信仰...
和辻哲郎 「鎖国」
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