...図々しさが抜目なく働き出してきました...
伊藤野枝 「ある男の堕落」
...その悪辣な世間師的な図々しさを発揮してきました...
伊藤野枝 「ある男の堕落」
...何という図々しさ! 黄金仮面はまるで人形の様に無感覚に...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...図々しさは技能の缺如を裏切る...
ジェイムズ・サンヅ・エリオット James Sands Elliott 水上茂樹訳 「ギリシャおよびローマ医学の概観」
...そういう図々しさを必要な道徳だとさえ思っているから...
戸坂潤 「読書法」
...独身の中年女の図々しさを見る気がした...
豊島与志雄 「擬体」
...なんぼなんでも女だてらに、この際男と名のつくものの横面を、衆人環視の中でピシャリとくらわせるのは、やり過ぎたようですが、またお角の身になってみると、かりにも自分の知らないではない野郎の端くれが、こんなところで、飛んでもない、業ざらしにあい、自分としても、恥も、外聞も忘れて、助けに来てやったのに、着物を着せてもらえば、いい気になって、水が飲みたいとか、梅干が食いたいとか、贅沢三昧(ぜいたくざんまい)を言い出す恥知らず、図々しさが、我慢にも癪(しゃく)にさわってたまらないのでしょう...
中里介山 「大菩薩峠」
...わたしの芸術がわかるかい」茂太郎はその図々しさに呆(あき)れ返って...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの図々しさは法外である...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分ながら図々しさに呆(あき)れるわ...
中里介山 「大菩薩峠」
...図々しさがあるような気がして...
中島敦 「斗南先生」
...犯罪を行った時と同様の図々しさをもって居たなら...
浜尾四郎 「悪魔の弟子」
...そこが志貴子の図々しさよ……木津さん? 心配しているのは...
久生十蘭 「姦(かしまし)」
...外見はちっとも常とかわらない落付き――年のさせる図々しさと虚勢を張り通す事を仕つづけて居た...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...彼に罰(ばち)をお当てにならないで下さい! 当世においては恋にも図々しさが必要なのです...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...輿論(よろん)に訴えるという図々しさもない...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...名優の鼻の表現の根本基調を作(な)しているものはその芸術に対する熱誠只一つでありますが、悪魔の鼻の表現の基調をなしているものは、大胆さ、図々しさ、冷淡さ、狡猾さなぞで、決して澄み切った明るい表現とは見えないのであります...
夢野久作 「鼻の表現」
...いつでも一角の倨傲(きょごう)とお十夜の図々しさから...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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