...「ほんとうに私がわるうございました……許してくださいまし……(そういううちに葉子はもう泣き始めていた)……私はもう日陰の妾(めかけ)としてでも囲い者としてでもそれで充分に満足します...
有島武郎 「或る女」
...「妾(めかけ)も囲い者もあるかな...
有島武郎 「或る女」
...でもね、松平さんがきらって、このごろは妾(めかけ)を置いたり、囲い者をしたり、乱暴ばかりするからね、萩原さんのおとうさんがひどく怒(おこ)つてね、そんな薄情な者には、娘はやって置かれぬてね、とうとう引き取ってしまったんですッて」「まあ、かあいそうね...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...ただしは囲い者にでもしておこうというのか……まあいいわ...
中里介山 「大菩薩峠」
...ああして老人(としより)のお囲い者となって...
中里介山 「大菩薩峠」
...一人や二人囲い者があったところで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お才は竹を知らないって言っているのに――」「お才は歴(れっき)とした旗本の囲い者だ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...四それから囲い者のお糸の家へ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...かつては日本橋あたりの大店(おおだな)の主人の囲い者だったそうで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...或時は名の通った博奕(ばくち)打の囲い者と逢引して牛死半生の目に逢わされたりしました...
野村胡堂 「百唇の譜」
...野沢屋の主人(あるじ)の囲い者で...
長谷川時雨 「朱絃舎浜子」
...表通りには僅かばかりの商店と、花やあか桶(おけ)を並べた寺茶屋があるほかは、商家のつつましい隠宅とか、囲い者、かよい番頭などの、静かなしもたやが多く、だが、五筋ある路地へはいると、どの路地も左右の棟割り長屋が軒を接していて、馴れない者にはうっかり通ることができないほど、いつもうす暗く、狭く、そしてとびまわる子供たちでごたごたしていた...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...囲い者になるのなんかいや...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...「囲い者だと仰しゃって下さい」「囲い者だなんて...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...囲い者だということであった...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...お豊は信用せず「あんなじじいの囲い者になんかなるもんか」とはねつけていた...
山本周五郎 「花も刀も」
...囲い者の住居という感じだった...
山本周五郎 「花も刀も」
...「きさまは囲い者になったり...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
便利!手書き漢字入力検索