...三百遍と際限もなく繰り返しているうちに早や夏の夜の明け易(やす)くあたりが白み初めて来て師匠もいつかくたびれたのであろう寝入(ねい)ってしまったようであるそれでも「よし」と云ってくれないうちはと「のろま」の特色を発揮(はっき)してどこまでも一生懸命(けんめい)根気よく遣り直し遣り直して語っているとやがて「出来た」と蚊帳の中から団平の声...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...あわれこの人男子と生れて太棹(ふとざお)を弾きたらんには天晴(あっぱ)れの名人たらんものをと嘆(たん)じたという団平の意太棹は三絃芸術の極致にしてしかも男子にあらざればついに奥義(おうぎ)を究むる能(あた)わずたまたま春琴の天稟(てんぴん)をもって女子に生れたのを惜(お)しんだのであろうか...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...手当たり次第髪をつかんでは団平船の中に投げこまれ...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...三味線を崩す者は団平といい...
山本笑月 「明治世相百話」
...名人団平以来まずこの人のもの...
山本笑月 「明治世相百話」
...それへ向って、彼が驀(まっ)しぐらに駈けるのを見ると、団平八、桜木伝七、服部小藤太(はっとりことうた)なども、あとを慕(した)った...
吉川英治 「新書太閤記」
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