...また動作の大部分が因襲的なので...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...因襲的な感情のある許りであつた...
石川啄木 「弓町より」
...因襲的な形式主義がいつまでもコビリ着いていて...
谷崎潤一郎 「鍵」
...それはとにかく彼がミュンヘンの小学で受けたローマカトリックの教義と家庭におけるユダヤ教の教義との相対的な矛盾――因襲的な独断と独断の背馳(はいち)が彼の幼い心にどのような反応を起させたか...
寺田寅彦 「アインシュタイン」
...因襲的な秋風の淋しさに囚はれずに...
寺田寅彦 「天文と俳句」
...あの因襲的な初歩の手法を用いて...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...多年の厳しい制度の下(もと)にわれらの生活は遂に因襲的に活気なく...
永井荷風 「妾宅」
...因襲的な信仰になっているらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...我々が単に因襲的に種的に働くということは...
西田幾多郎 「絶対矛盾的自己同一」
...この因襲的結婚に私が屈従したのは私の周囲の結婚に対する無理解とそして私の弱少の結果で御座いました...
長谷川時雨 「柳原※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子(白蓮)」
...船員としての因襲的な悪徳にはしみない性格であったが...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...それは、彼の職業的な、因襲的な、尊厳を傷つけるものであった...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...今は充分に「因襲的尊厳」の鎧(よろい)を着て...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...有産階級の因襲的な冷やかな心理を扱った「アンドレ・コルネリュウス」という性格小説を書いている...
久生十蘭 「悪の花束」
...因襲的な誤謬によつてに過ぎないと云ふことの...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「或女友達への手紙」
...虚飾に流れていた前代の因襲的な気風に対して...
和辻哲郎 「埋もれた日本」
...ただ因襲的に儀式を行ない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...しかしながら因襲的道徳に鋳られし者が習慣性によって壕の埋め草となり蹄の塵となるのは豕が丸焼きにされて食卓に上るのと択ぶところがない...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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