...幾十年もしくは幾百年幾千年の因襲的(いんしゅうてき)法則をもって個人の権能を束縛する社会に対して...
石川啄木 「初めて見たる小樽」
...因襲的な感情のある許りであつた...
石川啄木 「弓町より」
...因襲的な感情のあるばかりであった...
石川啄木 「弓町より」
...因襲的な形式主義がいつまでもコビリ着いていて...
谷崎潤一郎 「鍵」
...意識してかせずしてか儒者風の因襲的思想に気がねをしている様子さえも見られるのではあるまいか...
津田左右吉 「日本に於ける支那学の使命」
...過去の支那に行われていた因襲的な考が...
津田左右吉 「日本に於ける支那学の使命」
...それはとにかく彼がミュンヘンの小学で受けたローマカトリックの教義と家庭におけるユダヤ教の教義との相対的な矛盾――因襲的な独断と独断の背馳(はいち)が彼の幼い心にどのような反応を起させたか...
寺田寅彦 「アインシュタイン」
...最も因襲的な作品であった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...多年の厳しい制度の下(もと)にわれらの生活は遂に因襲的に活気なく...
永井荷風 「妾宅」
...因襲的な信仰になっているらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...因襲的立場以上のものは...
西田幾多郎 「デカルト哲学について」
...この因襲的結婚に私が屈従したのは私の周囲の結婚に対する無理解とそして私の弱少の結果で御座いました...
長谷川時雨 「柳原※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子(白蓮)」
...それは、彼の職業的な、因襲的な、尊厳を傷つけるものであった...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...因襲的な誤謬によつてに過ぎないと云ふことの...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「或女友達への手紙」
...因襲的な鑑賞と歴史とが覆えされる時は来るでしょう...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...因襲的な礼儀をぬきにして...
和辻哲郎 「漱石の人物」
...三現代の因襲的道徳と機械的教育は吾人の人格に型を強いるものである...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
...しかしながら因襲的道徳に鋳られし者が習慣性によって壕の埋め草となり蹄の塵となるのは豕が丸焼きにされて食卓に上るのと択ぶところがない...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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