...殻(から)を破った芥子(けし)の種(たね)のように四方八方に飛び散った...
有島武郎 「或る女」
...四方八方に撒き散らしている...
レオニード・ニコラエヴィッチ・アンドレーエフ 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...真白な煙がまるで数千の糸を四方八方にまきちらしたように拡がった...
海野十三 「流線間諜」
...その集団は思うままに四方八方に移住した...
大杉栄 「征服の事実」
...枝を四方八方に張ること...
大町桂月 「越ヶ谷の半日」
...四方八方に心配を惹(ひ)き起せり...
大町桂月 「層雲峡より大雪山へ」
...四百五十名の人民を四方八方に追散して仕舞ふ...
田中正造 「土地兼併の罪惡」
...どちらにゆくにも道は四方八方に通じてゐて窮るところがない...
近松秋江 「箱根の山々」
...そしてまた四方八方に分散している...
豊島与志雄 「どぶろく幻想」
...家来(けらい)達が四方八方に手分けして...
豊島与志雄 「夢の卵」
...蜘蛛の巣のように四方八方に交錯している彼等の目的の方向は...
豊島与志雄 「慾」
...それが室(へや)の四方八方に一時に起こり乱れ合って...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...それでも行住坐臥四方八方にたてられた制札ばかりを気にかけて子供が遊ばねばならぬやうな遊びかたをしたこともなく...
中勘助 「銀の匙」
...四方八方に霜柱が伸び出て...
中谷宇吉郎 「凍上の話」
...四方八方にゆきくれたおもひである...
林芙美子 「濡れた葦」
...外を見るとき、私は四方八方に、論争、矛盾、怒り、悪口、非難を予見する...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...四方八方に眼をくばらなければならないがために...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...なんしろおめえかんのんとくりゃあ四方八方にあらあ...
山本周五郎 「季節のない街」
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