...殻(から)を破った芥子(けし)の種(たね)のように四方八方に飛び散った...
有島武郎 「或る女」
...そして其の膨脹を妨げる邪魔物をとりのけようとして、四方八方に押す...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...四方八方に散って...
海野十三 「火星兵団」
...×艦の胴中から四方八方に噴き拡る黒煙...
海野十三 「太平洋雷撃戦隊」
...四方八方に枝を張りて...
大町桂月 「三里塚の櫻」
...四方八方に飛散し...
太宰治 「眉山」
...四方八方にけわしいまなざしをくばって...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...四方八方に曲りくねった無格好な字で...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...四方八方に拡がり得るとしても...
豊島与志雄 「小さき花にも」
...それでも行住坐臥四方八方にたてられた制札ばかりを気にかけて子供が遊ばねばならぬやうな遊びかたをしたこともなく...
中勘助 「銀の匙」
...四方八方に霜柱が伸び出て...
中谷宇吉郎 「凍上の話」
...いわゆる都合によりてその愛を四方八方に立ち寄らしむるを得る者といわば...
福田英子 「妾の半生涯」
...四方八方に跳ねまくった...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...セリの茎が立って梢に花の咲く時分前後モウ既にその茎の下部から四方八方に匐枝を引き長く泥面を這うている...
牧野富太郎 「植物記」
...眼を四方八方にくばって見よう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...四方八方に聞こえる...
夢野久作 「キチガイ地獄」
...それ程でなくとも作者として一種の変テコな失礼を四方八方に働らいたような良心的な苛責を感ずる事になるのだからツイ遠慮したくなるのである...
夢野久作 「創作人物の名前について」
...須田町を中心に四方八方に燃えひろがっている...
和辻哲郎 「地異印象記」
便利!手書き漢字入力検索