...空には雲雀が囀り...
石川欣一 「山を思う」
...どこからか野鳥が飛んで来てはゆすら梅に止まって囀りはじめる...
上村松園 「画室談義」
...するうちに湧きたつやうな行々子(よしきり)の囀りと共に白々夜があけた...
徳田秋聲 「老苦」
...勝手気儘に飛び廻り囀り散らす小鳥を連想した...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...雀がもう囀りだした...
豊島与志雄 「小さき花にも」
...其時に神の子一人、硝子(びいどろ)の管をつけたる、白銀の長き瓶より、噴き出づる瓦斯を滿たしめ、風船玉空に放てば、そを追ふと神の子數多、碧なる空のなからに、其玉を捉へ打ち乘りあちこちと浮きめぐりつゝ、括りたる白糸解きて、其玉の縮まる時に、ふは/\とおりもて來ると、風船玉やまず放てば、飛びあがり/\つゝ、餘念なく戯れ遊ぶ、斯る時神の子一人、蟲あさる雲雀みいでゝ、こそばゆき麥の莖に、掻きさぐり一つ捉り來て、小さなる嘴をあけ、白銀の瓶の瓦斯を、其腹に滿て膨らまし、すら/\と空にあがりて、小さなる其嘴より、少しづゝ吐かしむる時に、囀りの喉の響は、針の如つきとほし來ぬ...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...羽ばたきをして何処でも聞いた事のないような好い声で囀り出した時には猶更のことです...
宮本百合子訳 「二つの短い話」
...露臺のまはりでうるさいくらゐ囀りだした小鳥たちの口眞似をして見たり...
堀辰雄 「恢復期」
...ひとつの死だのをともにするやうにして――朝になつたのだらうか? なんといふ太陽が昇つたのだらう! なんとその太陽は大きいのだらう! あれは小鳥だらうか? いたるところで小鳥らの囀りがする...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「旗手クリストフ・リルケ抄」
...だが小鳥らの囀りではない...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「旗手クリストフ・リルケ抄」
...雀の囀りが活々と塀のところに聞えたと思うとやがて...
「朝の風」
...鶫の囀りのはたと歇(や)んだときにそう思った...
室生犀星 「姫たちばな」
...時々は一時間も囀りつづけていることがある...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...人前も構わず口喧(くちやか)ましく囀りかわすからで...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...またあるいはあの囀りの言葉がもしわかるものならば...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...鶯の老けた声が小鳥の囀りを圧して梢から絶えず聞えて来た...
横光利一 「旅愁」
...梢から梢の間を囀りながら飛んでゐた...
吉田絃二郎 「八月の霧島」
...松の葉かげに斷えず囀り續けてゐた...
若山牧水 「比叡山」
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