...それの詞の韻脚は囀(さへづ)りにくし...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...囀(さえず)りかわしてゆく渡鳥の群が...
徳田秋声 「あらくれ」
...遅い鶯が崖のところに囀つてゐた...
徳田秋聲 「二つの失敗」
...小鳥の囀(さえず)りで足りないところは昆虫(こんちゅう)の羽音が補っていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...今まで自分の背後にペチャクチャと燈籠の故事来歴を囀(さえず)っていたキザな声が止んでしまったことも...
中里介山 「大菩薩峠」
...うるさく囀られました...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...便所の格子窓からその花を眺めていると春の小鳥の囀(さえず)りも聴えます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「雲雀なら広島でも囀っていますよ...
原民喜 「永遠のみどり」
...群雀(むらすゞめ)の囀りかしましとても...
樋口一葉 「花ごもり」
...囀っている小鳥たちの声の中に...
火野葦平 「花と龍」
...閑古鳥(かんこどり)だのの元気よく囀(さえず)ることといったら! すこし僕は考えごとがあるんだから黙(だま)っていてくれないかなあ...
堀辰雄 「美しい村」
...彼は彼女たちのそばをまるで小鳥の囀(さえず)っている樹の下を通るような感動をもって通り過ぎた...
堀辰雄 「ルウベンスの偽画」
...彼は彼女たちのそばをまるで小鳥の囀つてゐる樹の下を通るやうな感動をもつて通り過ぎた...
堀辰雄 「ルウベンスの僞畫」
...何処か見えない枝の蔭で囀る小鳥の声が...
宮本百合子 「いとこ同志」
...どこかで鳥が囀(さえず)っている...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...鶫の囀りのはたと歇(や)んだときにそう思った...
室生犀星 「姫たちばな」
...殊(こと)に頬白(ほおじろ)などは囀(さえず)りまでもかえたらしく...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...また「春鶯囀(しゅんおうてん)の中将」という別名もあったほどだから...
吉川英治 「美しい日本の歴史」
便利!手書き漢字入力検索