...あすこ? まだ体の具合は悪いの?」「やっぱり薬ばかり嚥(の)んでいる...
芥川竜之介 「歯車」
...日の觴(さかづき)を嚥(の)み干しぬ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...嚥んでいる間は渦巻の形が変る...
海野十三 「宇宙尖兵」
...そこでゴクリと唾(つばき)を嚥(の)みこんだ...
海野十三 「空襲葬送曲」
...コップで当り前に嚥(の)んだものなら...
海野十三 「三人の双生児」
...丁度後(のち)になつてどんな物事にも理窟をつけては嚥(の)み込み嚥み込みするやうに...
薄田泣菫 「茶話」
...てっきり毒を嚥んだに違いないと睨んだと白状した...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...「俺(お)ら一錢(ひやく)もねえから」と卯平(うへい)はこそつぱい或(ある)物(もの)が喉(のど)へ支(つか)へたやうにごつくりと唾(つば)を嚥(の)んだ...
長塚節 「土」
...へへえといって嚥みこめぬような顔をしていたが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...……なにか怖いものでも見たのか」あふッ、と息を嚥んで、「……ちょうど八畳の居間のまうえあたりに梁が一本いっていて、それに垂木が合掌にぶっちがっているところに、六寸ばかりの守宮が五寸釘で胴のまんなかをぶっ通され梁のおもてに釘づけになっているンです...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...不具(かたわ)にまで傷づけられた民族の誇りと声なき無数の苦悩を載せる故国の土地!そのお前の土を飢えたお前の子らが若い屈辱と忿懣をこめて嚥み下(くだ)すとき――お前の暖い胸から無理強ひにもぎ取られたお前の子らがうなだれ...
槇村浩 「間島パルチザンの歌」
...『千一夜譚(サウザンドナイツ・エンド・ア・ナイト)』に海商シンドバッド一友と樹に上り宿すると夜中大蛇来てその友を肩から嚥(の)みおわり緊(きび)しく樹幹を纏(まと)うて腹中の人の骨砕くる音が聞えたと出で...
南方熊楠 「十二支考」
...」(兵卒四これを嚥下す...
宮沢賢治 「饑餓陣営」
...乾涸(ひから)びた咽喉(のど)を潤おすべくグッと唾液(つばき)を嚥み込んだ...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...」]眼を白黒させて唾液(つばき)を嚥(の)んだ...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...突然帰ろうとする矢代の考えを嚥み込みかねた訝しさで矢代を見上げた...
横光利一 「旅愁」
...これは大変なことを云い出したものだと思わず言葉を嚥んだ...
横光利一 「旅愁」
...滝川家の養子らの頭もその声音の高さに嚥まれる時分となった...
横光利一 「旅愁」
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