...嚥んでいる間は渦巻の形が変る...
海野十三 「宇宙尖兵」
...出かかった言葉をグッとのどの奥に嚥(の)みこんだ...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...嚥み下すと死ぬのは分っているが...
海野十三 「流線間諜」
...やはり毒物の嚥下(えんか)によることが明かとなった...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...何か嚥脂(えんじ)色のものが...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...口に入れるより早く嚥下(えんか)し...
太宰治 「ろまん燈籠」
...御飯を二口三口嚥(の)み下(くだ)したあとで...
夏目漱石 「行人」
...……実は、ここに持っている」踏絵は、えッ、と息を嚥んで、「それは、本当?……まア、なんという馬鹿な……」山木はキョトキョトと戸口の方に眼を走らせながら、「こんなところへ持ち込む気はなかったんだが、ひょんな羽目になって……」と、息をきり、「……で、有明荘を出ると真ッ直ぐに「すず本」の傍まで行ったんだが、自分で出向いて、昨夜のシャンパンの瓶をも、可笑しいと思い返して明石町の「呉竹」へ押し上り、女中に瓶を取らしてから四時ごろまで寝ころんでいたが、トイレットへ行きながら、なにげなく庭向うの四畳半を見ると、チラリと笑子とバロンセリの顔が見えた...
久生十蘭 「魔都」
...明るい壜の中に嚥みこまれたまま...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「窓」
...満場の聴衆はみな息を嚥(の)んで聴きすましている...
正岡容 「我が圓朝研究」
...」(嚥下す...
宮沢賢治 「饑餓陣営」
...嚥(の)み込んじゃったらしいの...
夢野久作 「冗談に殺す」
...そのまま生唾液(なまつば)を嚥(の)み込むと...
夢野久作 「霊感!」
...心を奪われておるわけではあるまい」声を嚥(の)み……声を落して……...
吉川英治 「大岡越前」
...みな断腸(だんちょう)の思いを嚥(の)み...
吉川英治 「新書太閤記」
...嗚咽(おえつ)を嚥(の)んで...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...倫敦から放送される歌謡を伝播(でんぱ)していたのを疾風のなかで私は嚥(の)み下した...
吉行エイスケ 「大阪万華鏡」
...苦しげに嚥(の)み込んでいくとでも言おうか...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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