...微温湯(ぬるまゆ)か何かで其儘(そのまんま)お嚥(の)みになる様に...
石川啄木 「鳥影」
...息をグッと嚥(の)むようにして叫んだ...
海野十三 「雷」
...」N氏は何か固いものを一嚥みにぐつと嚥み込んだやうな顔をした...
薄田泣菫 「茶話」
...私はカルモチンをたくさん嚥下(えんか)したが...
太宰治 「苦悩の年鑑」
...彼等(かれら)は只(たゞ)多量(たりやう)に嚥下(えんげ)することによつて其(そ)の精力(せいりよく)を恢復(くわいふく)し滿足(まんぞく)するのである...
長塚節 「土」
...兼(かね)博勞(ばくらう)は態(わざ)と笑(わらひ)を嚥(の)んで再(ふたゝ)び板(いた)の間(ま)に胡坐(あぐら)を掻(か)いた...
長塚節 「土」
...唾(つば)をぐつと嚥(の)んだ...
長塚節 「土」
...嚥下すると同時に忽ち死んだという話も残っている...
中谷宇吉郎 「古代東洋への郷愁」
...御飯を二口三口嚥(の)み下(くだ)したあとで...
夏目漱石 「行人」
...われわれが子供の頃支那の古典を鵜嚥みに覚えさせられたようなものだっただろう...
野上豊一郎 「シェイクスピアの郷里」
...それがはァ棒でも嚥んだように鯱(しゃ)ッちょこばッてるんです...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...全く毒を嚥んだ鼠に等しく七転八倒...
牧野信一 「鬼の門」
...不具(かたわ)にまで傷づけられた民族の誇りと声なき無数の苦悩を載せる故国の土地!そのお前の土を飢えたお前の子らが若い屈辱と忿懣をこめて嚥み下(くだ)すとき――お前の暖い胸から無理強ひにもぎ取られたお前の子らがうなだれ...
槇村浩 「間島パルチザンの歌」
...」(兵卒五これを嚥下す...
宮沢賢治 「饑餓陣営」
...悄然とうつむいて唾液(つば)を嚥(の)み込んでいるように見えた...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...どうも思い出せませんが……」舌に残る甘い唾を嚥(の)みながら俯向いた...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...神経を起していた郭はあわてて異様なものを嚥(の)みくだしたので...
吉川英治 「三国志」
...右門もあわてて毒を嚥(の)んだ...
吉川英治 「柳生月影抄」
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