...○・八グラムのヴエロナアルを嚥(の)み...
芥川龍之介 「歯車」
...この頃は体は善(い)いのかい?」「不相変(あひかはらず)薬ばかり嚥(の)んでゐる始末だ...
芥川龍之介 「歯車」
...或る警察探偵の秘密訊問室に於ける嫌疑者として挙げられた男子(オトコ)は地図の印刷された糞尿を排泄して更にそれを嚥下したことに就いて警察探偵は知る所の一つを有たない...
李箱 「出版法」
...口に出(い)づるを嚥(の)み込みし片唾(かたづ)の音(おと)か...
アルテュル・ランボオ 上田敏訳 「虱とるひと」
...事件の性質をハッキリ嚥(の)みこんで...
海野十三 「疑問の金塊」
...唾(つば)をグッと嚥(の)んだ...
海野十三 「空襲葬送曲」
...――もし地底機関車が活動していれば……と口先まで出たのをやっと嚥(の)みこんだ...
海野十三 「地中魔」
...グッと一(ひ)と息(いき)に生長液を嚥(の)んだのであった...
海野十三 「蠅」
...」N氏は何か固いものを一嚥みにぐつと嚥み込んだやうな顔をした...
薄田泣菫 「茶話」
...フランスをまでずんずん嚥み下しているのだと想像されていた...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...彼(かれ)は煙管(きせる)を噛(か)んでは只(たゞ)舌皷(したつゞみ)を打(う)つて唾(つば)を嚥(の)んだ...
長塚節 「土」
...そん時(とき)から俺(お)れた口(くち)も利(き)かねえや」卯平(うへい)は他人(ひと)には頓着(とんぢやく)なしにかういつて其(そ)の舌(した)を鳴(な)らして唾(つば)を嚥(の)んだ...
長塚節 「土」
...魚肉は鱗もとらずに端から鵜嚥みにした...
久生十蘭 「ノア」
...その詩はおよそ私の現在の気持からはあまりに懸(か)け離れていそうに思えたので私はその詩の意味をちっとも嚥(の)み込めないうちに...
堀辰雄 「旅の絵」
...明るい壜の中に嚥みこまれたまま...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「窓」
...最初男色を小蛇が人を嚥(の)むに比し...
南方熊楠 「十二支考」
...毒を嚥(の)んだような斑点や絞殺された痕(あと)も見えないのである...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...階下では皆身構えて固唾(かたず)を嚥(の)んでいた...
若杉鳥子 「ある遊郭での出来事」
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