...――視覚のナマエを持つことは計画の嚆矢である...
李箱 「線に関する覚書7」
...蓋(けだ)し二十年来の仏蘭西新詩を以て嚆矢(こうし)とす...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...邦人にして独逸(ドイツ)語を以て独逸人の前で演説したのは余を以て嚆矢(こうし)とすというような論鋒(ろんぽう)で...
内田魯庵 「鴎外博士の追憶」
...殊に此書は欧羅巴刊行の書籍中漢字を組入れた嚆矢としてビブリオファイルに頗る珍重される稀覯書である...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...私が嚆矢(こうし)ではないかと思います...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...この土地始まって以来我々をもって嚆矢(こうし)とするということであり...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...鉄道を敷設してもって行旅の便に共せしは一八二五年ストックトンよりダーリントン〔ともに英の地名〕の間に開きたるものをもって嚆矢(こうし)とす...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...眞に町人の要求から興つた漢學は是を以て嚆矢とする...
内藤湖南 「大阪の町人と學問」
...經典題説が解題の嚆矢となりしより...
内藤湖南 「敬首和尚の典籍概見」
...是れ實に我邦の史家が卑彌呼の記事に對して下せる批評の嚆矢といふことを得べし...
内藤湖南 「卑彌呼考」
...それはかの通俗小説の作家として今では最(も)う忘れられようとしているPaul(ポオル)de(ド)Kock(コック)を以て嚆矢(こうし)と見做(みな)さなければならぬ...
永井荷風 「夏の町」
...如何となれば巴里風のカッフェーが東京市中に開かれたのは実に松山画伯の AU PRINTEMPS を以て嚆矢(こうし)となすが故である...
永井荷風 「申訳」
...寄りついたのは古井武右衛門君をもって嚆矢(こうし)とするくらいな珍客であるが...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...実に於菟(おと)女史を以て嚆矢(こうし)とすべし...
福田英子 「妾の半生涯」
...そういうことをしたのはこの人をもって嚆矢とする...
三上義夫 「芸術と数学及び科学」
...これを嚆矢とする...
三上義夫 「数学史の研究に就きて」
...そしてこれが口語体の弔辞の嚆矢でもあつた...
水野葉舟 「言文一致」
...月々の出版物のために漉かれたのは之が嚆矢ではなかつたらうか...
柳宗悦 「和紙十年」
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