...」天海はお伽噺(とぎばなし)の蟹のやうに叮嚀に柿の核(たね)を懐中(ふところ)にしまひ込んだ...
薄田泣菫 「茶話」
...時計は悪叮嚀(わるていねい)な持主に当てつけたやうに...
薄田泣菫 「茶話」
...医者は例(いつも)のやうに叮嚀に診察をしたが...
薄田泣菫 「茶話」
...お譲りしてもいゝんだが……」「それぢや何(ど)うかさういふ御都合に――」若い男は刈立(かりたて)の頭を叮嚀に下げた...
薄田泣菫 「茶話」
...も一度叮嚀に写真版に見入つた...
薄田泣菫 「茶話」
...自分の伯父さんででもあるやうな叮嚀な言葉遣ひで...
薄田泣菫 「茶話」
...と思ったほど叮嚀な言葉が出てしまって...
太宰治 「善蔵を思う」
...原さんは思ったよりも叮嚀(ていねい)であった...
夏目漱石 「坑夫」
...家族には無愛想極まっても朋友(ほうゆう)にはこの上なく叮嚀(ていねい)な男もございます...
夏目漱石 「創作家の態度」
...その節は又御叮嚀(ていねい)に難有う...
夏目漱石 「それから」
...君は御者に対して叮嚀過ぎるよと忠告してやったら...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...叮嚀(ていねい)に叮嚀(ていねい)にと仰(おつ)しやるけれど...
樋口一葉 「われから」
...滅多と無い叮嚀な説明をして...
三島霜川 「解剖室」
...扨は是がお尋ね者と三人刀を拔いて立向ふとメルリン叮嚀に挨拶し公等の用向きは斯樣々々でせう...
南方熊楠 「人柱の話」
...それにしてもこんな小さい魂にこれほど叮嚀(ていねい)な用意深い...
室生犀星 「童話」
...わざわざ叮嚀(ていねい)に見直す事がある...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...これに反して只圓翁は極めて叮嚀懇切なものがあった...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...そのマヤールさんは……」「二階のお母さんの処に居ります」「フウン……お父さんはどこに居りますか」私の言葉が自然と叮嚀(ていねい)になった...
夢野久作 「冥土行進曲」
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