...婦人は、はつきりした声で、かう名乗つて、それから、叮嚀に、会釈を返した...
芥川龍之介 「手巾」
...叮嚀(ていねい)に初対面の会釈(えしゃく)をした...
芥川龍之介 「路上」
...訳も極めて叮嚀(ていねい)な隅々まで理解のとゞいた立派なものだと思ひます...
伊藤野枝 「寄贈書籍」
...博士はそれを一々叮嚀に診察しながら...
薄田泣菫 「茶話」
...「私は京見物に参つた丹波の者でございますが……」お爺さんは叮嚀な口上で挨拶をした...
薄田泣菫 「茶話」
...叮嚀にお礼を言われると...
太宰治 「作家の手帖」
...御叮嚀(ていねい)に日本字の書き版である...
谷譲次 「踊る地平線」
...その間にあなたはその探偵を連れて来て下さい」「それはいい考えです」とアンガスは叮嚀に言った...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「見えざる人」
...「何か用ですか」と叮嚀(ていねい)に聞いた...
夏目漱石 「坑夫」
...極(きわ)めてよそよそしく叮嚀(ていねい)な挨拶(あいさつ)をした...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...やがて三重吉は鳥籠を叮嚀(ていねい)に箱の中へ入れて...
夏目漱石 「文鳥」
...みんな叮嚀(ていねい)に挨拶(あいさつ)をする...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...あるものは閑(ひま)に任せて叮嚀(ていねい)な楷書(かいしょ)を用い...
夏目漱石 「倫敦塔」
...主人は何にも分らずに吾輩の頭を叮嚀(ていねい)に撫(な)でている...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...その土や苔のしめり工合に得も言われぬ行届いた叮嚀さがこめられて...
室生犀星 「庭をつくる人」
...この若い主治医は叮嚀でしんせつというものの境のこえるくらい...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...叮嚀に蔵(しま)ってあったせいであろう...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...……おさらば」いつになく叮嚀(ていねい)に頭(かしら)を下げてから...
吉川英治 「源頼朝」
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