...噎(むせ)ツたいと思はず...
石井研堂 「元日の釣」
...但し此事は松太郎に対して噎(おくび)にも出さなかつた...
石川啄木 「赤痢」
...ムッと噎(む)せかえるような生臭(なまぐさ)い暖気(だんき)が...
海野十三 「爬虫館事件」
...藥は烟に噎(む)せた時のやうにちき/\と目に浸みた...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...噎(む)せるほどの体臭がある...
太宰治 「八十八夜」
...むつと噎せ返して来る和やかな陽(ひかり)にあをられると...
牧野信一 「心象風景」
...濛々とする秣草のほこりに噎せ反つて...
牧野信一 「剥製」
...噎せ返つてゐるやうだつた...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...女に分る筈のないおれの聲のかぎりの嗚噎(をえつ)が...
室生犀星 「汽車で逢つた女」
...「病噎、自春及秋漸篤、終不起、実八月十三日也」と、行状に書してある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...そうして自分も噎(むせ)びあげた...
山本周五郎 「桑の木物語」
...香を(た)くかおりが噎(む)せるほど強く匂っていた...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...噎(むせ)びながら続けた...
山本周五郎 「契りきぬ」
...熱い噎っぽい煙の渦...
山本周五郎 「柳橋物語」
...それが朋友の慈悲だ」六の二噎びあげる道之進の声のなかに...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...何ともいえない噎(む)せっぽい悪臭を放っていた...
夢野久作 「鉄鎚」
...烈しく噎(む)せびながら湯の中に突立った...
夢野久作 「鉄鎚」
...勢よく噴(ふ)き出る水のシブキに噎(む)せかえりながら...
夢野久作 「一足お先に」
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