...噎(むせ)ツたいと思はず...
石井研堂 「元日の釣」
...女らしい体臭(たいしゅう)に噎(む)せると...
田中英光 「オリンポスの果実」
...噎(む)せるやうな温かい空気が...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...彼は自分が噎(むせ)び泣きしているのであると思うより外はなかった...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...むつと噎せ返して来る和やかな陽(ひかり)にあをられると...
牧野信一 「心象風景」
...噎(い)きれる宵を庭向ふの家で忍びやかに糸の音が聴える...
正岡容 「山の手歳事記」
...あたりの空気は噎(む)せるほども高雅な香りに満ちていた...
山本周五郎 「菊屋敷」
...香を(た)くかおりが噎(む)せるほど強く匂っていた...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...「早水さん待って呉れ」「…………」「わたしは戻るよ」吹きこむ粉雪に噎(む)せながら...
山本周五郎 「新潮記」
...うしろで耐えかねたように噎びあげる声がした...
山本周五郎 「つばくろ」
...やや暫らく噎びあげていたが...
山本周五郎 「日本婦道記」
...耐え兼ねたように噎(むせ)びあげた...
山本周五郎 「日本婦道記」
...ばらばらと崩れる土煙に噎(む)せて咳(せ)きこんだ...
山本周五郎 「風流太平記」
...新しい木の香が噎(むせ)っぽく匂ってきた...
山本周五郎 「柳橋物語」
...煙に噎(む)せて逃げ迷っている……と思う間もなく床柱に行き当って引っくり返ってしまった...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...何ともいえない噎(む)せっぽい悪臭を放っていた...
夢野久作 「鉄鎚」
...噎(む)せかえるほど深刻に匂う白い花ビラの大群を...
夢野久作 「白菊」
...そうして噎(む)せかえるほど芳烈な...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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