...土臭殆(ほとん)ど噎(むせ)ばんと欲す...
芥川龍之介 「大正十二年九月一日の大震に際して」
...噎(む)せるやうな温かい空気が...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...彼は自分が噎(むせ)び泣きしているのであると思うより外はなかった...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...たいせつな葬いの席をはずして参上したわれらは!」そこまで云った彼はまるで言葉に噎(む)せ返るように咳(せ)きこんだ...
本庄陸男 「石狩川」
...むつと噎せ返して来る和やかな陽(ひかり)にあをられると...
牧野信一 「心象風景」
...噎(む)せる苦(くる)しさに互(たがひ)に頻切(しツきり)なしに泣(な)いたり喚(わめ)いたりして居(ゐ)ました...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...噎えたものの匂いをちらばしている...
宮本百合子 「犬三態」
...噎せ返つてゐるやうだつた...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...噎(むせ)びながら少しずつでも煙草を吸い...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
......
森川義信 「冬の夜の歌」
...寿女は噎(むせ)び泣いていた...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...耐えかねたように噎(むせ)びあげた...
山本周五郎 「落ち梅記」
...「早水さん待って呉れ」「…………」「わたしは戻るよ」吹きこむ粉雪に噎(む)せながら...
山本周五郎 「新潮記」
...そして噎(むせ)るように笑いながら去っていった...
山本周五郎 「つばくろ」
...納屋の中はあまく噎(むせ)っぽい匂いでいっぱいだった...
山本周五郎 「日本婦道記」
...新しい木の香が噎(むせ)っぽく匂ってきた...
山本周五郎 「柳橋物語」
...そのときはじめてあたしにわかったのよ」おせんは噎びあげながらそう云った...
山本周五郎 「柳橋物語」
...トタンに口の中の玉子酒に噎(む)せ返りながらモウ一度...
夢野久作 「幽霊と推進機」
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