...但し此事は松太郎に対して噎(おくび)にも出さなかつた...
石川啄木 「赤痢」
...しきりに扇(あふぎ)て烟(けふり)を穴に入るれば熊烟りに噎(むせ)て大に怒(いか)り...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
......
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...私は何度もその煙に噎(む)せた...
堀辰雄 「麦藁帽子」
...たいせつな葬いの席をはずして参上したわれらは!」そこまで云った彼はまるで言葉に噎(む)せ返るように咳(せ)きこんだ...
本庄陸男 「石狩川」
...むつと噎せ返して来る和やかな陽(ひかり)にあをられると...
牧野信一 「心象風景」
...噎(い)きれる宵を庭向ふの家で忍びやかに糸の音が聴える...
正岡容 「山の手歳事記」
...噎えたものの匂いをちらばしている...
宮本百合子 「犬三態」
......
森川義信 「冬の夜の歌」
...……これまでのことは堪忍して頂戴」そうして甘く噎(むせ)びあげるお孝を...
山本周五郎 「寒橋」
...わかるか信次」信次は両手をついて噎(むせ)びあげた...
山本周五郎 「死處」
...「早水さん待って呉れ」「…………」「わたしは戻るよ」吹きこむ粉雪に噎(む)せながら...
山本周五郎 「新潮記」
...彼はきつく唇を噛みしめながら噎(むせ)びあげた...
山本周五郎 「日本婦道記」
...いえ違います」町は噎(むせ)びあげながら云った...
山本周五郎 「松林蝙也」
...おせんは切窓に倚(よ)りかかって両手で面(おもて)を掩(おお)いながら噎(むせ)びあげた...
山本周五郎 「柳橋物語」
...そのときはじめてあたしにわかったのよ」おせんは噎びあげながらそう云った...
山本周五郎 「柳橋物語」
...埃(ほこり)に噎(む)せるばかりでは...
夢野久作 「白髪小僧」
...トタンに口の中の玉子酒に噎(む)せ返りながらモウ一度...
夢野久作 「幽霊と推進機」
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