...噂に聞く天狗の翼だか...
芥川龍之介 「邪宗門」
...……オイ政どん、噂に聞くと、あのカンカン寅が銀座の金塊を盗みだしたというが、お前は昨日(ゆうべ)、あの建物にカンカン寅が隠してあった九万円の金塊を探しだして、搬びだしたんだナ」「金塊は無かったよ」と私は朗(ほがら)かに云った...
海野十三 「疑問の金塊」
...どこからともなく響いてくるエンジンの音――あれは若(も)しや噂に聞く地底機関車ではないだろうか...
海野十三 「地中魔」
...噂に聞く黄金仮面に相違なかった...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...他人(ひと)の噂に聞くと...
薄田泣菫 「茶話」
...噂に聞くと、三十人余りの中へ、小太郎と二人で、斬込んだらしいが――」「兄上は? そして?」「小太郎は助かったらしいが、消息が判らぬ...
直木三十五 「南国太平記」
...成る程、不思議なこともあるが、牧の倅と申せば、斉興公の御一行に入っている筈であるが――」「何うして? 七瀬殿が、又、牧の手にかかったのか――」「詳しいことは判らんが、噂に聞くと、彼奴、お由羅派として、四ツ本喜十郎の許におったらしい...
直木三十五 「南国太平記」
...討てぬか」「お恥かしゅう存じます」「噂に聞くと...
直木三十五 「南国太平記」
...日頃噂に聞く大家の事なれば最初はまづ門前払なるべしと内々覚悟せしにわけもなく二階の書斎に通され君らは巌谷の門生なりとか...
永井荷風 「書かでもの記」
...これが噂に聞く街娼(がいしょう)だと思った処から...
永井荷風 「ひかげの花」
...噂に聞くと大したもので...
中里介山 「大菩薩峠」
...噂に聞く梅仙女でしょう...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...東京は如何(どん)な処だか人の噂に聞く許(ばかり)で能(よ)くは知らなかったが...
二葉亭四迷 「平凡」
...噂に聞くところに依ると立派なる立身出世の人らしく...
牧野信一 「茜蜻蛉」
...噂に聞く「吹雪男」の出現かしら? と気づくと...
牧野信一 「鬼の門」
...噂に聞くだけで未だに訪れた験しもない千鳥川の流域を思つて...
牧野信一 「バラルダ物語」
...またその手紙では、塩野がもう日本へ出発し、東野がイギリスへ渡った後で、パリには早や彼の知人少く、マロニエの枯葉日毎に音立てて散る秋を迎え、淋しさ静けさ加わるばかりと書いてあって、その最後のところに、「噂に聞くと、君もどうやら生還したようだが、僕はいよいよ怪しくなった...
横光利一 「旅愁」
...かねて噂に聞くところの鎖鎌という見つけない武器が...
吉川英治 「宮本武蔵」
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