...すると君の報告の方が一つ多いね」署長は鉛筆を嘗(な)め嘗め三個の横に4とかいた...
海野十三 「人間灰」
...同じ経験を嘗めたことを思い出した...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...その埃まで嘗めなければならない理由(わけ)が判らなかつた...
薄田泣菫 「茶話」
...共同生活に伴うアンニュイの一滴だも嘗めずに...
辰野隆 「感傷主義」
...それは自分が嘗めてから桑の口に納れた...
田中貢太郎 「蓮香」
...人間個人が社会に於て嘗める処の実験=経験は...
戸坂潤 「技術の哲学」
...体を嘗めているとどうしても脱毛を呑み込むし...
豊島与志雄 「猫先生の弁」
...指の先を嘗めて拭きながら...
永井荷風 「買出し」
...悲痛艱苦(かんく)の経験をたとえて世の辛酸を嘗めると言う...
永井荷風 「砂糖」
...わが身既に久しく世の辛酸を嘗めるに飽きている折から...
永井荷風 「砂糖」
...鍋の破片へまけてやった味噌汁をぴしゃぴしゃと嘗めて居る音が聞えるように思われたり...
長塚節 「太十と其犬」
...自分が嘗められないんで口惜(くや)しかろう」「呆(あき)れたよ」際限もありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...交る/″\出て來ちや頬つぺたを嘗めるんですもの...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...歓楽の残滓を嘗めて居る三十幾人の客の頭の上へ...
野村胡堂 「笑う悪魔」
...むごたらしい艱難辛苦を嘗めた末...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...山に来てこよなく心慰めば慰む儘に恋しきも君家にあつて嘗めたこの四十日程の苦しさ辛さから逃れて山に来たが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...私は何んなに絶望して床の砂を嘗めたであろう...
松永延造 「職工と微笑」
...稗粉するときや嘗め/\摺るがメカス摺るときやならが出るといふのがある...
柳田國男 「食料名彙」
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