...黄門は世に賢明の人なりと嘖々(さくさく)す...
芥川龍之介 「大久保湖州」
...恐らくこの女は当時の世評嘖々たる『浮雲』を読んだに違いないが...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...今日嘖々される諸作と比べても決して軒輊(けんち)する処がない...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...口を揃(そろ)えて嘖々(さくさく)称讃したが...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...時には彼を呵嘖(かせき)し...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...散々に責め嘖(さいな)んだ挙句...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...兒童走卒も尚ほ能く其の名を記憶して嘖々是れを傳唱するのを思へば...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...天下到るところに人気(にんき)嘖々(さくさく)たる古今の英雄秀吉も...
中里介山 「大菩薩峠」
...伯父が文名嘖々(さくさく)たる大家ででもあったなら...
中島敦 「斗南先生」
...彼(かれ)のさういふ意志(いし)は長(なが)い月日(つきひ)の病苦(びやうく)に嘖(さいな)まれて僻(ひが)んだ女房(にようばう)の心(こゝろ)に通(つう)ずる理由(わけ)がなかつた...
長塚節 「土」
...然(しか)しながら彼(かれ)の悲憤(ひふん)に堪(た)へぬ心(こゝろ)が嘖(さいな)まうとするには與吉(よきち)の泣(な)いて止(や)まぬ火傷(やけど)がそれを抑(おさ)へつけた...
長塚節 「土」
...全ヨーロッパに嘖々たるものがある...
蜷川新 「天皇」
...すでに文名嘖々(さくさく)たるものがあるのに...
野村胡堂 「胡堂百話」
...然(しか)も生前現在の身を以てこの呵嘖に当たらざるを得ず...
福沢諭吉 「教育の事」
...ところで先代訥子はその後十年以上も遺憾なく猛優振りを発揮して各劇場に嘖々の好評を博してゐたが...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...おもうにそのころ二十七歳のおぼろは漸(ようや)く新進作家として名声嘖々(さくさく)たるものありだしたときだったのだろう...
正岡容 「我が圓朝研究」
...――浄和尚は僧堂において眠る僧を峻烈に呵嘖したが...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...「悪は必ずしも呵嘖(かしゃく)すべきものでない」...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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