...人間は嘆息する、呼吸が為(ため)に息苦しいこと夥(おびただ)しい...
伊藤左千夫 「大雨の前日」
...ことごとく業(カアマ)という言葉以外では説明の方法がないのです」とカ氏はつくづく嘆息するように言った...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...」女は嘆息するように云って...
谷崎潤一郎 「秘密」
...小遣が欲しいなあと嘆息する...
種田山頭火 「松山日記」
...癒(なお)って帰るじゃ帰り力があるが」と誰やらが嘆息する...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...私はただ嘆息するほかはありませんからね...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...私が「それぢや仏縁が深くてもだめかなー」と嘆息するやうにいへばま顔(がほ)になつて「なにあんた...
中勘助 「銀の匙」
...われこれを以て野蛮なる哉(かな)や没趣味なる哉やと嘆息するも誠はわが虚弱の妬(ねた)みに過ぎず...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...もう永遠に帰らないことを思つて酷白(こくはく)な嘆息するのも幾たびであらう……私の青春はもはや堅い血管となり...
中原中也 「山羊の歌」
...あれでも二十年位はかかっているのだからと嘆息するのであった...
中谷宇吉郎 「米粒の中の仏様」
...「急に暑苦しくなりましたね」と自分は嘆息するように云った...
夏目漱石 「行人」
...僕に較(くら)べると君は実に幸福だ」と高柳君今度はさも羨(うらや)ましそうに嘆息する...
夏目漱石 「野分」
...ひとり嘆息することがあった...
原民喜 「遥かな旅」
...嘆息する者もありしかども...
福沢諭吉 「学問の独立」
...あたしは負けやしないから」「強いのねえ」とおすえが嘆息するように云った...
山本周五郎 「さぶ」
...それぞれの心のありかたを思って嘆息するばかりでした...
山本周五郎 「失蝶記」
...梅八はそう思って嘆息するだけだったのである...
山本周五郎 「新潮記」
...時どき嘆息するように「それにしても色が黒いな」と云い云いした...
山本周五郎 「日本婦道記」
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