...大隈伯の思想は經驗より結撰し來る故に其の開展するや歸納法の形式を具ふ伊藤侯の思想は讀書より結撰し來る故に其の開展するや演繹法の形式を具ふ大隈伯固より讀書を嗜む然れども抽象的理論よりも寧ろ具象的事實を貴ぶ伊藤侯固より經驗を非認せざる可し然れども侯の得意とする所は寧ろ學理に在りて事實に存せじ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...晩酌の酒を少しく嗜むぐらいなもので...
豊島与志雄 「自由人」
...ポナペ人を除いた凡てのカロリン群島人は――檳榔の實を石灰に和して常に噛み嗜むので...
中島敦 「環礁」
...馬乳や馬乳酒を嗜む...
中島敦 「狐憑」
...たゞ佛祖の涎唾を嗜む...
林芙美子 「ボルネオ ダイヤ」
...遊藝を嗜む者あり...
福澤諭吉 「人生の樂事」
...代々の將軍必ず碁將棋を嗜むにも非ざる可し...
福沢諭吉 「帝室論」
...一滴の酒も嗜むことなく夙に竜巻村小字界隈の風教改革運動に東奔西走して寧日もなき人であります...
牧野信一 「月あかり」
...四肢で行(ある)く事上手なと生肉を嗜むところから見ると習慣の久しきほとんど天性と成したと見える...
南方熊楠 「十二支考」
...この児のち英人ニコレツ大尉の監督で養われたが生肉を嗜む事甚だしく一度に羊児半分を食った...
南方熊楠 「十二支考」
...蛇が乳を嗜むもの多きより...
南方熊楠 「十二支考」
...喜んで燕肉を嗜む(ローランの『仏国動物俗談(フォーン・ポピュレール・ド・フランス)』巻二...
南方熊楠 「十二支考」
...女らの化粧を嗜む時...
三好達治 「測量船拾遺」
...初めは嗜むでものを感ぜしが...
三好達治 「測量船拾遺」
...酒を嗜むものは病に抗する力を殺(そ)がれてゐるものである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...榛軒は豚を嗜む少数者の一人であつたからである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...――嗜むというほどではございませんけれど...
山本周五郎 「新潮記」
...「俗すらなほ一道を専らに嗜むものは...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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