...彼は嗅煙草の最後の一撮みを嗅いで...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...嗅覚にはよらずして視覚にのみよったということもそう簡単に断定はできない...
寺田寅彦 「とんびと油揚」
...鼻をつき出して空気を嗅(か)ぎながら叫んでいました...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...俺が此処にゐる事を嗅ぎつけやがつたのかな...
長與善郎 「青銅の基督」
...風の如く通つて歩いた後を嗅いだところで何の匂ひも殘つては居ず...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...これは何か嗅ぎ出した時の表情です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...いろいろの消息を嗅ぎ出すことにかけては...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その銅壺(どうこ)に突っ込んだまま水の如く冷たくなった酒を嗅いだりして居ります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...生命がけで守つて居た一萬兩の隱し場所を嗅ぎつけ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...やおら嗅ぎ煙草入の蓋をあけた...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
...辱しめられた過去に於て体得した本能的な嗅覚がさうさせるのだ...
北條民雄 「癩院記録」
...しかしもつともつと乾燥した匂ひを嗅ぐや否や...
堀辰雄 「プルウスト雜記」
...それを言はれたとほりに嗅いで見せた...
堀辰雄 「フローラとフォーナ」
...まるで南蛮渡りの秘薬の匂いでも嗅がされたよう...
正岡容 「小説 圓朝」
...クフンクフンと空中を嗅(か)ぎ出した...
夢野久作 「難船小僧」
...ルネッサンスの中核を嗅ぎあてることの出来た午前を...
横光利一 「旅愁」
...さいごの家庭の味を嗅いでいる風でもあった...
吉川英治 「私本太平記」
...ただ日本人同士の間では嗅ぎ馴れないローズやヴァイオレットの強烈な香水の香りと結びつけて或る特殊生活を連想してみるだけのものにすぎない...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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