...なま臭い人肉を喰う狼見た様な犬がうろ付いとる間で...
岩野泡鳴 「戦話」
...」などと云(い)い云い普通の人が一つ二つを喰う間(あいだ)に五つも六つもペロペロと平らげた...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...こうして先ず不意打ちを喰う恐れをなくして置いて...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...「よく喰うな...
徳田秋声 「黴」
...七兵衛が喰うに決った菓子だったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...第一その菓子を誰が喰うのか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何処(どこ)の売出しの披露だ」「兄貴がそんな間抜けな御馳走を喰うかな...
野村胡堂 「笑う悪魔」
...この地方はサハラ沙漠の入口にあたるので、一年の平均温度は摂氏の六十五度に達し、泡まじりの溜水のほか、飲料水もないひどいところで、薄濁った河には、人を喰う鰐と、人に喰われる鰐がうようよしているが、吃水八尋(トアーズ)以上の艦船が通過困難な狭い水道の奥に位置しているので、戦略的には重要な地点になっていた...
久生十蘭 「海難記」
...うまいものを喰うて酒を飲まっしゃるから...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...喰う米も無い(当時一升十銭時代)貧窮のただ中に大枚二円五十銭の小遣(催能の都度に祖父が費消する定額)を渫(さら)って弟子の駈り出しに出かけたので...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...親を売って喰う伜が居るもんじゃない...
夢野久作 「近世快人伝」
...そんな奴とは正反対に、どこにでも寝る、何でも着る、何でも喰う、地位とか、家柄とか、人格とかいうものが一つも無い点に於いて天下広しと雖(いえど)も、吾輩ぐらい不名誉な人間は無いだろう...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...さながらに死人の心臓を取って喰うという魔性の者のような物々しさ……又は籔(やぶ)の中に潜んでいる黒蝶の仔虫(さなぎ)を何万倍かに拡大したような無気味さ……のみならず...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...海岸を流して行く支那ソバを二つ喰うと...
夢野久作 「名娼満月」
...横顔へ平手を喰う...
吉川英治 「剣の四君子」
...人の喰うものを喰い...
吉川英治 「三国志」
...「この冬はもう、畳を煮、壁土を喰うしか、食うものはない」窪(くぼ)んだ眼と、窪んだ眼とが、おたがいを憐れみながら、なおこんなことをいっていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...そして私共二人は飯も喰うことなしにあたふたと袴を著けてその舟まで駆け著けた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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