...自分一個の嗜好から云へば眞面目と巫山戲との中が割れて兩者が綯ひ交られて行く處に妙に遣瀬ない情調を喚起する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...若し又實行とは主觀内の作用が他の主觀作用を――一つの思想感情が他の思想感情を――喚起する事をも意味するならば...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...要は只類似の心状を喚起するに在りとす...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...而してこの詩の喚起する心状に至りては皆相似たり...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...此処には読者の注意を喚起する為に...
江戸川乱歩 「一枚の切符」
...その喚起する連想の周囲には簡単に名状し記載することのできない潜在意識的な情緒の陰影あるいは笹縁(ささべり)がついている...
寺田寅彦 「映画芸術」
...あるいは津田君の画にしばしば出現する不恰好な雀や粟の穂はセザンヌの林檎(りんご)や壷のような一種の象徴的の気分を喚起するものである...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...実際自分の経験では存外生徒の実験的趣味を喚起する効果があるようである...
寺田寅彦 「物理学実験の教授について」
...それはあたかも吾人の驚愕を喚起する『自然』の生産物のごとく...
中井正一 「絵画の不安」
...4かかる関連の情趣を喚起する物理的集団的性格の構成体は...
中井正一 「レンズとフィルム」
...心的快感を喚起するまでゞある...
中原中也 「生と歌」
...吾人の感情を挑撥(ちょうはつ)喚起するのがその根本義とすれば)かく浪漫派は内容の上から云って芸術的であるけれども...
夏目漱石 「文芸と道徳」
...社会的にも世論を喚起する積りである...
葉山嘉樹 「牢獄の半日」
...過去の諸知覚の心象を喚起する機能に他ならないからではないか? また...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...世人の注意を喚起することも必要ではないかと思います...
牧野富太郎 「植物記」
...僧正これを聞いてかの僧を喚起すると...
南方熊楠 「十二支考」
...わたしがさまざまな問題によってわたしの推理を喚起することに...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...この有名な学者の深遠な著作が正当に喚起する賞讃に参与するものではない...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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