...呉牛(ごぎゅう)の喘ぎ苦しく胡馬(こば)の嘶(いなな)きを願えども甲斐なし...
饗庭篁村 「良夜」
...喘(あへ)ぎ喘ぎよろめき上ると...
芥川龍之介 「きりしとほろ上人伝」
...一尾残らずゆっくりした情熱のない昂奮の下に彼等の小さな世界をぐるぐると喘ぎながら廻っていた...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...そしてますますいっそう大きなものすなわちいっそう善いものをと無限定に喘ぎ求めるものであることを理解するのみでなく...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...――誰れにもやられたのではない』と相手は息を切らしながら云った――『ただ……ああ!――ああ!』……『――ただおどかされたのか?』と蕎麦売りはすげなく問うた『盗賊(どろぼう)にか?』『盗賊(どろぼう)ではない――盗賊(どろぼう)ではない』とおじけた男は喘ぎながら云った『私は見たのだ……女を見たのだ――濠の縁(ふち)で――その女が私に見せたのだ……ああ! 何を見せたって...
小泉八雲 Lafcadio Hearn 戸川明三訳 「貉」
...近在を駈け廻って帰ったデカやピンが喘ぎ喘ぎ来ては...
徳冨蘆花 「地蔵尊」
...喘(あえ)ぎ喘ぎ追って行く八五郎...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...数日前そんな旅先きから自分を運んで来た上り列車が此の村の傾斜を喘ぎ喘ぎ上りながら...
堀辰雄 「菜穂子」
...暑気に喘ぎながら...
宮本百合子 「解説(『風知草』)」
...ブルブル顫える手でそれを受取って喘ぎつつ飲む柴田)……日支事変が始まってからもズーッと...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...誠 そうだよ!柴田 (喘ぎながら)なぜ...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...「あたしもう死ぬ覚悟でいたわ」「ここまで来ればもう大丈夫です」正吉は暗い街辻で喘ぎながら足を停めた...
山本周五郎 「お美津簪」
...女め」あの方は喘ぎながら叫んだ...
山本周五郎 「やぶからし」
...御心を御静め遊ばして私の申す事を御用い遊ばして……」と喘(あえ)ぎ喘ぎ口説き立てましたが何にもなりませんでした...
夢野久作 「白髪小僧」
...その喘ぎ方は全く地獄に住む獣類のそれである...
夢野久作 「暗黒公使」
...喘(あえ)ぎ喘ぎ鍬を動かすというミジメな状態に陥っている...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...息も喘(あえ)ぎ喘ぎ追いついて来るのであった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...喘(あえ)ぎ喘ぎ駈けてくる病人の息は...
吉川英治 「宮本武蔵」
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