...オルガンティノは喘(あえ)ぎ喘ぎ...
芥川龍之介 「神神の微笑」
...顔色も青く喘(あえ)ぎ喘ぎ上るのを――下山の間際に視(み)たことがある...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...ようやく喘ぎを持ち堪えた...
魯迅 井上紅梅訳 「風波」
...苦しそうにハァハァ喘ぎながら...
海野十三 「仲々死なぬ彼奴」
...彼は滑り易い砂礫の上をひどくはあはあ喘ぎながら登っていた...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...そしてますます一層大きなもの即ち一層善いものをと無限定に喘ぎ求めるものであることを理解するのみでなく...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...――誰れにもやられたのではない』と相手は息を切らしながら云った――『ただ……ああ!――ああ!』……『――ただおどかされたのか?』と蕎麦売りはすげなく問うた『盗賊(どろぼう)にか?』『盗賊(どろぼう)ではない――盗賊(どろぼう)ではない』とおじけた男は喘ぎながら云った『私は見たのだ……女を見たのだ――濠の縁(ふち)で――その女が私に見せたのだ……ああ! 何を見せたって...
小泉八雲 Lafcadio Hearn 戸川明三訳 「貉」
...押えとめられて却って喘ぎの音を立ててる...
豊島与志雄 「二つの途」
...「俊斎だ」俊斎は、眉を歪めて、口を開いて、喘ぎながら、右手で袴を掴んで、左手で刀を押えて、走って来た...
直木三十五 「南国太平記」
...夜通し吹荒れた西南の風に渦巻く烟の中を人込みに揉まれ揉まれて、後へも戻れず先へも行かれず、押しつ押されつ、喘ぎながら、人波の崩れて行く方へと、無我夢中に押流されて行くよりしやうがなかつたのだ...
永井荷風 「にぎり飯」
...喘(あえ)ぎ喘ぎ駆け続けているのが本当の姿である...
野村胡堂 「随筆銭形平次」
...死にかけている人間のような苦しげな喘ぎを若者の胸に響かせるのだった...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...それは魂の室の扉(ドア)を開き、その足械(あしかせ)を解いたのだ――それは魂の眠りを醒まし、そこから魂は顫へ乍ら、耳を澄し乍ら、喘ぎ乍ら、跳(と)び立つたのだ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...早く」六兵衛は激しく喘ぎながら...
山本周五郎 「ひとごろし」
...その山道を喘(あえ)ぎ喘ぎ行く途中で聞きとった...
吉川英治 「上杉謙信」
...喘(あえ)ぎ喘ぎ急(せ)きたてた...
吉川英治 「大岡越前」
...喘(あえ)ぎ喘ぎ踏み登ってきた...
吉川英治 「三国志」
...そして喘(あえ)ぎ喘ぎ自(おのず)から...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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