...」と叔母は喘ぐような声で言った...
徳田秋声 「足迹」
...一人称的取扱の堅い殼の下に喘いでいる...
豊島与志雄 「性格批判の問題」
...「その勝負待った」喘(あえ)ぎ喘ぎ...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...陶は足の指を蟹のように折曲げ、薄眼の中で眸を寄せ、俺にしっかりと抱きつきながら口を開いてア、アと喘ぎ出した...
久生十蘭 「湖畔」
...そのおじいさんは何やら喘(あえ)ぎ喘(あえ)ぎ私達に向って物を言っているのだが...
堀辰雄 「晩夏」
...泣いてでもいるのか暫く喘(あえ)ぐような息づかいが続いた...
山本周五郎 「日本婦道記」
...「涌谷さまや松山は、船岡と力を合わせて一ノ関に当る、三人協力して、一ノ関の陰謀を潰(つぶ)すと云っておられた、だが涌谷さまは老躰だし、松山は温厚だが小胆だ、小胆といって悪ければ大事をとりすぎる、あの胆の太い、奸知にたけた一ノ関と、真向に対決できるのは、船岡をおいてほかにはない」新左衛門は言葉を切って、激しく喘いだ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...橇曳きの矜恃にしつかりととりつかれていたからであつた――その矜恃はこの労役に服する犬共を最後の喘ぎまでつかんではなさず...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...眼をじつと大きな牡鹿にそそいで喘いでいると...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...遣り場なく喘(あえ)いでいるようなそのうしろ姿――萩乃は...
吉川英治 「篝火の女」
...一本の杖の両端を二人して持ち合いながら――永い人生の艱苦をこの一刻(とき)の道に縮(ちぢ)めてしまうような喘(あえ)ぎとたたかいながら...
吉川英治 「宮本武蔵」
...息が喘(き)れるのであろう...
吉川英治 「宮本武蔵」
...初めてほんとの喘(あえ)ぎが出て来たらしく...
吉川英治 「宮本武蔵」
...全身はくわっくわっと喘(あえ)ぎぬいている...
吉川英治 「宮本武蔵」
...喘(あえ)ぎながら一礼して...
吉川英治 「無宿人国記」
...息を喘(せ)いて来た加山耀蔵は...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...父には執拗な喘息(ぜんそく)が併発していた...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...潰瘍症状も、喘息も、慢性なので、かかりつけの医師も何ら警告はしていなかった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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