...唯々お客さんに自由に進呈するためだといふ...
寺田寅彦 「伊香保」
...唯々感謝の外は無い...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...最初の中(うち)は多少は、自分自身の立場も、発揮したいような傾向も見えたが、しかし今はもうとても歯がたたないと観念して、ただホームズの為すままに、唯々諾々として、後からついて来るだけのことになってしまった...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「暗号舞踏人の謎」
...安倍党首が唯々諾々として引き下ったということも...
戸坂潤 「社大党はファッショ化したか?」
...すっかり気を呑まれた荘公は唯々(いい)として「諾」と答えるほかは無い...
中島敦 「盈虚」
...父と兄とは唯々(いい)として遺言の如(ごと)く...
夏目漱石 「薤露行」
...唯々(いい)として来(く)るべきはずの小野さんが四五日見えぬ...
夏目漱石 「虞美人草」
...もしなにもかも唯々諾々(いいだくだく)と...
新渡戸稲造 「自警録」
...唯々として服従していた蘇我氏もまた...
蜷川新 「天皇」
...私は、目賀田氏の人物に非凡のところがあるのをみとめて、唯々として、その命にしたがっていた...
蜷川新 「私の歩んだ道」
...唯々こころぼそく成りますとて身をちぢめて引退(ひきしりぞ)くに...
樋口一葉 「ゆく雲」
...唯々(たゞ/\)心(こゝろ)ぼそう御座(ござ)りますとて打(うち)なくに...
樋口一葉 「われから」
...ブラドンの心づくしを悦(よろこ)んで唯々諾々(いいだくだく)と医師へ同伴されたりしているうちに...
牧逸馬 「浴槽の花嫁」
...唯々諾々としていなければならない...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...唯々諾々(いいだくだく)として受け入れているではないか...
横光利一 「新感覚派とコンミニズム文学」
...と唯々無事を祈る気持しかなかったのである...
吉川英治 「新書太閤記」
...杜興(とこう)は口惜しかったが、祝氏のおん曹司(ぞうし)たちが相手では怒りもならず、唯々、わけをはなして、哀願と陳弁とにこれ努(つと)めるほかなかった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...荘を出るやいな、屋敷は炎になってしまいましたから」聞く李応(りおう)は、唯々、あきれるばかりだった...
吉川英治 「新・水滸伝」
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