...興味も熱心も希望も有(も)つてゐない――餓ゑたる犬の食を求むる如くに唯々詩を求め探してゐる詩人は極力排斥すべきである...
石川啄木 「弓町より」
...これまた古河の前に唯々諾々...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...幾も亦唯々(ゐゝ)として言ふなりに動きまはるのが...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...唯々面白いのは、此の何萬囘の足音が一度にかたまつて發しないで、實にうまく一樣に時間的に配分されて、勿論多少の自然的偏倚は示しながらも統計的に一樣な毎秒平均足音數を示してゐることである...
寺田寅彦 「伊香保」
...最初の中(うち)は多少は、自分自身の立場も、発揮したいような傾向も見えたが、しかし今はもうとても歯がたたないと観念して、ただホームズの為すままに、唯々諾々として、後からついて来るだけのことになってしまった...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「暗号舞踏人の謎」
...唯々(いい)諾々として傾聴していた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...何にもならないよ」「へエへエ」爺は唯々(ゐゝ)として向うへ行つてしまひました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...もの事を逆にいえば唯々諾々(いいだくだく)なのである...
長谷川時雨 「木魚の配偶」
...月のお蔭でさうあるのを月幸ひすと云ひ又それを広く村全体に及ぼした差略など唯々恐れ入る...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...唯々としてそれを招き入れたのが南部藩の盛岡...
本庄陸男 「石狩川」
...ブラドンの心づくしを悦(よろこ)んで唯々諾々(いいだくだく)と医師へ同伴されたりしているうちに...
牧逸馬 「浴槽の花嫁」
...然程の大問題であつた出版の相談も唯々一回の會見に依つて略々決定した...
村越三千男 「大植物圖鑑」
...唯々(ただただ)...
吉川英治 「黒田如水」
...唯々(いい)として何進の警固についてはいるが...
吉川英治 「三国志」
...唯々諾々(いいだくだく)と...
吉川英治 「新・水滸伝」
...唯々(いい)と返辞をして居れば...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...唯々(いい)黙々として...
吉川英治 「随筆 新平家」
...唯々諾々(いいだくだく)と応じたのだから――...
蘭郁二郎 「鉄路」
便利!手書き漢字入力検索