...哀れな音を立てゝゐた...
石川啄木 「天鵞絨」
...この辛い目に逢ふ哀れな人の上を思つて胸が潰れる位だらう...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...なぜだか今日は哀れな男に感ぜられた...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...哀れな、賤しげな、怖ろしい、ぞっとするような、悲惨(みじめ)な者どもであった...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...勇ましいということの裏には本来いつでも哀れなさびしさが伴なっているのではないかという気がする...
寺田寅彦 「藤棚の陰から」
...山の裾に休息してゐる哀れな漁村の屋根を見た...
永井荷風 「海洋の旅」
...なんぼう哀れなことではないか...
中里介山 「大菩薩峠」
...悩ましい胸の哀れなひびきの中に...
林芙美子 「新版 放浪記」
...哀れな娘は顔を赤らめた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...雨(あめ)の夜(よ)の音(おと)なひこれこそは哀れなれ...
樋口一葉 「あきあはせ」
...Полхои(プラホーイ)(哀れな土地)と呼ぶ地方で...
久生十蘭 「地底獣国」
...同樣に哀れな女の死に對する人々の態度もそんなには慟哭的でなく...
堀辰雄 「伊勢物語など」
...そこなら二階の哀れな男でも隠れて...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...屡々とその根元で哀れな遊楽の妄想にうつゝを抜かしたと云はるゝ大唐松が独り禿山の頂きに逞ましい腕を張つて巨人の踊りを...
牧野信一 「剥製」
...各人は哀れな老年時代に至るまで...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...哀れな話である...
柳田国男 「雪国の春」
...どんなにおれが哀れな人間だか...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...この哀れな住家を美しくすることに彼等の計畫を延期した...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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