...閉め込みをくった哀れな馬が永久にその中でかけっている円い曲馬場のようなものに過ぎまい...
モオパッサン 秋田滋訳 「ある自殺者の手記」
...その寝姿の哀れに小さく見すぼらしいのがお由の心に憐愍(あはれみ)の情(こころ)を起させた...
石川啄木 「赤痢」
...めそめそした哀れっぽい声は出さなかった...
江戸川乱歩 「影男」
...襟を傳ふ涙の雫のみさすが哀れを隱し得ず...
高山樗牛 「瀧口入道」
...故(こ)内府の俤あるも哀れなり...
高山樗牛 「瀧口入道」
...世の中にこんな哀れなことがあるでしょうか...
谷崎潤一郎 「三人法師」
...何となくもの哀れなそして不吉な仙郷を思わせるような妙な情調が...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「サレーダイン公爵の罪業」
...哀れとも残念ともなんともかとも感慨無量である...
永井隆 「長崎の鐘」
...哀れな富める主人は貧しく賢い下僕の顔を嫉(ねた)ましげに眺めた...
中島敦 「南島譚」
...この哀れな万寿丸の舳(へさき)を目がけて...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...哀れなペトゥローの背筋をめがけてピシリと一つ撃ちおろさうとしたが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...何くれと物哀れげに仰(おっし)ゃって「どうしていつまでもまあそんなお淋しいお住いをなすって入らっしゃるのでしょう...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...とても勇敢な男たちが大きな間違いを起こすとは哀れだなあ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...ほんとに哀れな事で私ももらひ泣きを致しました...
槇村浩 「私は紙である」
...物の哀れさを知りぬいた冬よ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...その出立(でたち)の時に自分はもう此辺(このへん)からしみじみ帰りたかつたのだとも哀れに思ひ出される...
與謝野晶子 「帰つてから」
...はや彼の増長慢のあらわれと哀れむべきではありませんか」「先生...
吉川英治 「三国志」
...聞く者みな哀れを催したが...
吉川英治 「三国志」
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