...落合直文(おちあひなほぶみ)先生の石碑を前にした古池の水も渇(か)れ渇(が)れになつてゐるのは哀れだつた...
芥川龍之介 「本所両国」
...お前の女らしい弱點が一しほ哀れに見えないやうな俺なら...
ヘンリック・イブセン Henrik Ibsen 島村抱月譯 「人形の家」
...『おぼろ舟』のお藤に対する悲惨な哀れな読者の同情を促すやうな光景や...
田山録弥 「尾崎紅葉とその作品」
...夜具も米もなければこれを隣家の人に借り哀れなる一夜を明したり...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...菰(こも)をかぶって橋の欄干(らんかん)の下から物哀れな声を出しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...哀れ深くやるせない姿を見つめて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...哀れでもあつたが...
林芙美子 「浮雲」
...何ともいえない哀れ惨憺たるその……...
正岡容 「小説 圓朝」
...おらあ見ていて哀れなやら...
三好十郎 「斬られの仙太」
...物哀れになりますよ...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...哀れな私の後ろ姿をどうお笑いになったことかと口惜(くちお)しい気もしますが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...また物哀れな気にもなる...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...枕(まくら)から少し顔を上げてものを言う時には息も今絶えそうに見えるのが非常に哀れであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ああいう哀れな女たちをしぼるのは...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...本能的に父を哀れと思うためか...
山本周五郎 「季節のない街」
...おれをこの哀れな境遇に追いやったのだ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...リンリンと人を哀れがらせ...
夢野久作 「鼻の表現」
...聞く者みな哀れを催したが...
吉川英治 「三国志」
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