...心持がとうとう飽くまで哀れになつて来る...
アルチバシェッフ・ミハイル・ペトローヴィチ Artsybashev Mikhail Petrovich 森林太郎訳 「笑」
...もう一度抱いてから死にたいと哀れな泣き声を出して叫んだ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...この時だけはさすがに亡国の民族の哀れさが聞いている私の胸にまでも滲透(しんとう)して...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...人々は愛すべき又哀れむべき...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...春寒き夜に曝し出されたるさま何とも知れず哀れふかし...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...哀れな二人の女の一生の願いを...
火野葦平 「花と龍」
...蒼ざめた哀れな相手の片腕に彈丸(たま)を一つ見舞つて來ました...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...哀れに美しきこの呼名かな...
正岡容 「下町歳事記」
...「ものの哀れ」の父と子の關係も亦わが空想の構へしものなる事を爲念(ねんのため)附記す...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...ですから、私を哀れと思い、どうぞ現状維持を最低のレベルとしてお願いいたします...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...源氏は物哀れな気持ちになって車を止めさせた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...また物哀れな気にもなる...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...今までと反対に式場の静まりかえる気分は物哀れなものであるが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...廊座敷などという軽々しい所へ姫君を置くのはどうしても哀れでしんぼうのならぬことと夫人に思われて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...やどり木は色変はりぬる秋なれど昔おぼえて澄める月かなと古風に書かれてある歌の心に、薫は羞恥(しゅうち)を覚え、哀れも感じて、里の名も昔ながらに見し人の面(おも)がはりせる閨(ねや)の月かげ返事ともなくこう口ずさんでいたのを、侍従が弁の尼へ伝えたそうである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...見るも哀れな位萎(しお)れ込んでいるのを見下した支配人はイヨイヨ勢付いて...
夢野久作 「二重心臓」
...元来「ものの哀れ」なるものは...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...右の中宮の場合におけると同じく「ものの哀れ」の裏づけがある...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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