...哀れなる臨終(いまは)の声(こゑ)は...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...今は斜に傾いているのもまことに哀れな姿であった...
海野十三 「大空魔艦」
...人に哀れを起さしめる...
千家元麿 「自分は見た」
...哀れッぽく持ちかけて...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...安永天明における物哀れにまで優しき風情は嘉永(かえい)文久(ぶんきゅう)における江戸の女には既に全く見ることを得ざるに至りぬ...
永井荷風 「江戸芸術論」
...焚火に手を翳しながら哀れな顔をして周囲の人だかりを見まはして居る...
長塚節 「隣室の客」
...涎掛(よだれか)けの寄進に付く者もないといふ哀れな有樣だつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あんたはあの哀れなお馬鹿のゴリオ爺さんが自分の娘が裏書した為替手形を買い取る破目に追い込まれるのを見ただろう...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...父が末路の哀れやまなぶらん...
樋口一葉 「琴の音」
...同樣に哀れな女の死に對する人々の態度もそんなには慟哭的でなく...
堀辰雄 「伊勢物語など」
...上にいる哀れな妹の為です...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...ありがたいぞえ成田の不動――とありがた節には愚昧でそぞろ哀れの深い...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...朝霧に友惑はせる鹿の音(ね)を大方にやは哀れとも聞く私の心から発するものは二つの鹿の声にも劣らぬ哀音です...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...中納言は哀れにそれを聞いて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それでみんなが哀れがって彼のために命乞いをしたので...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...だからあの濡れた眼や哀れっぽい声にはおかまいなさるな...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...哀れな母は死んだ...
山本周五郎 「青べか日記」
...おまえだけがそうして呉れることができる……菊千代を哀れと思うなら...
山本周五郎 「菊千代抄」
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