...母は時々、金沢ふみ子さんや、それから、他の娘さんでやっぱり一躍有名になったひとの噂を、よそで聞いて来ては興奮して、和子だって、書けば書けるのにねえ、根気(こんき)が無いからいけません、むかし加賀の千代女が、はじめてお師匠さんのところへ俳句を教わりに行った時、まず、ほととぎすという題で作って見よと言われ、早速さまざま作ってお師匠さんにお見せしたのだが、お師匠さんは、これでよろしいとはおっしゃらなかった、それでね、千代女は一晩ねむらずに考えて、ふと気が附いたら夜が明けていたので、何心なく、ほととぎす、ほととぎすとて明けにけり、と書いてお師匠さんにお見せしたら、千代女でかした! とはじめて褒められたそうじゃないか、何事にも根気が必要です、と言ってお茶を一と口のんで、こんどは低い声で、ほととぎす、ほととぎすとて明けにけり、と呟(つぶや)き、なるほどねえ、うまく作ったものだ、と自分でひとりで感心して居られます...
太宰治 「千代女」
...「和子(わこ)は賢いお子ですね...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...「ねえ、和子、わしは和子を叱る訳ではないのだから、正直に云って御覧...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...「うるさい和子(わこ)じゃ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...和子さま達のおん身を……」「夫人(おく)も子たちも...
吉川英治 「新書太閤記」
...あのとおりこの世の名残を酌み交わしているわけでおざる」「して――かんじんな御夫人(おくがた)と和子(わこ)たちとのお別れは」「それも...
吉川英治 「新書太閤記」
...「何たるいさぎよさ」「いじらしい和子(わこ)たち」「親の顔が見てやりたい」それもこれもみな荒木一人の逆意から――不料簡(ふりょうけん)から――と...
吉川英治 「新書太閤記」
...「きょうから和子(わこ)は...
吉川英治 「新書太閤記」
...幼少の和子(わこ)たちは...
吉川英治 「新書太閤記」
...和子が四歳(よつ)の年の春に...
吉川英治 「親鸞」
...「和子様か」変った彼のすがたに...
吉川英治 「親鸞」
...和子を負ってここへ逃げてきたのか...
吉川英治 「親鸞」
...ございましたか」「和子(わこ)...
吉川英治 「平の将門」
...「和子は、どこの和子やの...
吉川英治 「平の将門」
...「ねえ、和子……」と、並んで足を休めると、尼はすぐいい出した...
吉川英治 「平の将門」
...この三人の和子は...
吉川英治 「源頼朝」
...御前様の身や和子様たちを...
吉川英治 「源頼朝」
...和子さまの浅ましい……」とは嘆いたものの...
吉川英治 「源頼朝」
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