...もうお暇(いとま)にいたしましたら……お別れする前にもう一度お祈りをして」「お祈りをわたしのようなもののためになさってくださるのは御無用に願います」葉子は和らぎかけた人々の気分にはさらに頓着(とんじゃく)なく...
有島武郎 「或る女」
...主の和らぎの福音を説かんことを(哥林多後書五章十八節以下)...
内村鑑三 「聖書の読方」
...習習は春風の和らぎ舒(の)びるかたち...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...この深い和らぎの中に...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...一緒に旅をして狭い船へでも乗った時のように和らぎあっていた...
徳田秋声 「黴」
...主人公の上におりてきた年齢からくる和らぎをもってして...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...男は頬骨の張った赤黒い顔に――僕はその時初めて彼の顔を見たのであるが――人なつっこい和らぎを浮べて...
豊島与志雄 「道連」
...目に見えない位の微(かす)かな和らぎが忽ち顔中に拡がったと思うと...
中島敦 「虎狩」
...言行和らぎて温順なるは婦人の特色にして...
福沢諭吉 「女大学評論」
...交際いよいよ広ければ人情いよいよ和らぎ...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...神とも世とも和らぎながら暮すべきはずの時代からです...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...和らぎに充たされた若者の面上には...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...涙の中にある和らぎが予想されます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...和らぎに見えるのだった...
横光利一 「旅愁」
...漂う和らぎは厳しさの結果から来ているらしい...
横光利一 「旅愁」
...和らぎを感じたが...
横光利一 「旅愁」
...あるあきらめめいた秋の日の和らぎのままに美しく眺めた...
横光利一 「旅愁」
...和らぎと優しみとに対する心からの憧憬の上に...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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