...もうお暇(いとま)にいたしましたら……お別れする前にもう一度お祈りをして」「お祈りをわたしのようなもののためになさってくださるのは御無用に願います」葉子は和らぎかけた人々の気分にはさらに頓着(とんじゃく)なく...
有島武郎 「或る女」
...習習は春風の和らぎ舒(の)びるかたち...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...この深い和らぎの中に...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...憤怒今より和らぎて其激しさを減らす時...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...多少心が和らぎはしたけれど...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...深い和らぎの色に突然輝かされた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...主人公の上におりてきた年齢からくる和らぎをもってして...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...目に見えない位の微(かす)かな和らぎが忽ち顔中に拡がったと思うと...
中島敦 「虎狩」
...寒気和らぎ、洗面の氷水もさほどはこたえぬ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...すっかり秋風が立ち初めて、日の光も和らぎ、蜩(ひぐらし)も鳴かず、夜は数々の虫ばかり騒々しい頃となった...
火野葦平 「糞尿譚」
...言行和らぎて温順なるは婦人の特色にして...
福沢諭吉 「女大学評論」
...神とも世とも和らぎながら暮すべきはずの時代からです...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...神とも世とも和らぎながら人となって...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...和らぎに充たされた若者の面上には...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...眼毒が弱り和らぎ...
南方熊楠 「十二支考」
...和らぎを感じたが...
横光利一 「旅愁」
...しかしわれわれの心が和らぎと休息とを求めている時には...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...和らぎと優しみとに対する心からの憧憬の上に...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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