...代る/″\に箱が開いたかと思うと咄嗟に空になった了った...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...彼は敏子の名刺を見ても咄嗟には思い出せない様子だった...
豊島与志雄 「坂田の場合」
...咄嗟に寝間着の袖で眼を押し拭いながら...
豊島与志雄 「反抗」
...が咄嗟に答えが出なかった...
豊島与志雄 「反抗」
...得たりと勢込んで紀昌が其の矢を放てば、飛衞は咄嗟に、傍なる野茨の枝を折り取り、その棘の先端を以てハツシと鏃を叩き落した...
中島敦 「名人傳」
...叫んで咄嗟に左にかわし...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...咄嗟に、何が始まりかけているのか理解することができなかった...
久生十蘭 「地底獣国」
...咄嗟に身をひるがえし...
久生十蘭 「魔都」
...』おれは咄嗟に壁へぴつたりと體を擦りよせた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...咄嗟に、敏捷な悪魔はそこにあつた袋の中へ潜(もぐ)りこんだ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...咄嗟に誰か提灯を持つて...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...咄嗟に九鬼が非常に莨好きだつたことを思ひ出しながら...
堀辰雄 「聖家族」
...咄嗟にフィールデンがメイを抱くと...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...咄嗟に翔び立つ心構えを怠らない...
宮本百合子 「餌」
...咄嗟に振り向いて彼に銃を向けた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...彼は咄嗟にばらばらと駈け抜けて...
吉川英治 「剣難女難」
...咄嗟にその狼狽も胸を塞(ふさ)いだからであろう...
吉川英治 「宮本武蔵」
...』それを聞くと私は咄嗟に決心した...
若山牧水 「樹木とその葉」
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