...同氏は咄嗟に取纒めた重要書類と当座の着換えを詰めたスーツ・ケースを...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...咄嗟にいうべき言葉もなくぼんやりそこに坐っていた...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...『何か御用事ですか?』咄嗟に甘(うま)い言葉が出なかったので...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「耳香水」
...咄嗟に身構えて飛びかかろうとする奴へ...
大阪圭吉 「坑鬼」
...そして咄嗟に誰へともなく云った...
豊島与志雄 「子を奪う」
...然し咄嗟に言葉が出なかった...
豊島与志雄 「理想の女」
...名前が咄嗟には浮かんで來ない――が私の前に來て...
中島敦 「かめれおん日記」
...咄嗟に起りし騒動なれば迚(とて)も斯く優々たる道行を演ずる遑(いとま)あらざりしなり)豊後(ぶんご)橋迄走り着き振り回へると町は一パイの高張提灯です...
楢崎龍、川田雪山 「千里駒後日譚」
...それを見破つて咄嗟にお糸を押へた平次の明智は物の見事です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...叫んで咄嗟に左にかわし...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...咄嗟に、何が始まりかけているのか理解することができなかった...
久生十蘭 「地底獣国」
...咄嗟に翔び立つ心構えを怠らない...
宮本百合子 「餌」
...咄嗟に、「ああ、おしもだったのか」と夫人は意外な感じに打たれたが、それで、若やいだ良人のこの頃が読めたような気がした...
矢田津世子 「女心拾遺」
...どう云えば良かろうと咄嗟に考えたが...
横光利一 「旅愁」
...作左衛門は咄嗟に横へ翳(かざ)した太刀で受け止めたが...
吉川英治 「剣難女難」
...咄嗟に御方の眼を怖れてあたりを見廻したが...
吉川英治 「剣難女難」
...玄徳は咄嗟に、ニコと笑みをふくんでその眼に応えながら、「いや、お見事でした...
吉川英治 「三国志」
...』とアレキサンダー君が咄嗟に答えた...
渡辺温 「ああ華族様だよ と私は嘘を吐くのであった」
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