...「ご存じでしょうね、お父さんがどんなことをしたか」私がおどおどしていると、少年はやがて起(た)ち上って、私よりも背丈が低かったので、爪さきで背伸びをするようにして、私の耳もとに口を寄せると、私の名、それも呼名を、優しい、親しげな、美しい声で「ジュヌヴィエーヴ」と囁くので、私は水でも浴せられたように、背筋がぞうッとしました...
モオパッサン 秋田滋訳 「寡婦」
...それから馬(うま)の呼名(よびな)でございますが...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...イヤ結構(けっこう)結構(けっこう)!俺(わし)はもう呼名(よびな)について反対(はんたい)はせんぞ……...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...うつせみの世を疾(と)く去りし昔の人の呼名(よびな)かと...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...此(この)ローナが同(おな)じ呼名(よびな)で知(し)らるゝ限(かぎ)り...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...おふささんと云う呼名を咄嗟(とっさ)に聞いたからでありました...
西尾正 「陳情書」
...はかなきすねものの呼名(よびな)をかしうて...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...きやん(侠)な呼名に轉化してしまつて...
長谷川時雨 「凡愚姐御考」
...お上さんがとてもチヤホヤしていて憎らしいったら……」彼女の呼名はいくつもあるので判らないのだけれど...
林芙美子 「新版 放浪記」
...友達いやしがりて万年町(まんねんてう)の呼名今に残れども...
樋口一葉 「たけくらべ」
...友達いやしがりて萬年町の呼名今に殘れども...
樋口一葉 「たけくらべ」
...友達(ともだち)いやしがりて萬年町(まんねんちやう)の呼名(よびな)今(いま)に殘(のこ)れども...
樋口一葉 「たけくらべ」
...アリス・リイヴル――偶然にも前の被害者と同じ呼名である――という女中が...
牧逸馬 「浴槽の花嫁」
...あゝ彼の呼名はSだつたか! エスは有頂天になつて僕の脚にからみつかうとする...
牧野信一 「駆ける朝」
...こういうむずかしい呼名の方なの...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...世代は恐くは黒田家の奥に仕へた時の呼名であつただらう...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...すなわちM音ではじまる河童の呼名である...
柳田国男 「故郷七十年」
...正式の呼名なんです...
山川方夫 「恐怖の正体」
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