...妹たちの前で葉子と呼び捨てにもできないので倉地はしばらくの間お葉さんお葉さんと呼んでいたが...
有島武郎 「或る女」
...召使に向つては「お前」と呼び捨てにするし...
太宰治 「津輕地方とチエホフ」
...蔭では「板倉々々」と呼び捨てにしているのであるが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...自家(うち)へ来れば他人から呼び捨てにされないと...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
......
鶴彬 「鶴彬全川柳」
...その話のついでに右の呼び捨ての不審をただすと...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...旦那といふのは祖先の餘慶によつて村の百姓をば呼び捨てにするだけの家柄である...
長塚節 「芋掘り」
...「おいおい」と呼び捨てにすることや...
林芙美子 「泣虫小僧」
...よく母親のところへやって来る「小僧小僧」と呼び捨てにする男の事を思い出した...
林芙美子 「泣虫小僧」
...大旦那のお前を清兵衛と呼び捨てにするのは...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...皇后をママまたはサンニイと呼び捨てにし...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...他家の子を呼び捨てにする...
柳田国男 「故郷七十年」
...主人の子供を「ジュン」などと呼び捨てにしているから驚いてしまった...
柳田国男 「故郷七十年」
...その中でも名主の家その他の大きな家では中屋敷とか新屋敷とかいって代々の戸主を呼び捨てにせぬようにしている...
柳田國男 「地名の研究」
...秋三は乞食から呼び捨てにされる覚えがなかった...
横光利一 「南北」
...……耳はないのか」もう呼ぶにも呼び捨てである...
吉川英治 「新書太閤記」
...武蔵の名を呼び捨てにする者はなかった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...セルゲイはもはやセリョーガなどと呼び捨てにされずに...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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