...知らぬ間に彼女自身もいつかその叔父の周到に届いた誤魔化しに乗せられてその利器に触れたのだ...
伊藤野枝 「わがまま」
...理論周到にして知識精確なる神学者の言説かえって福音の真髄を外(はず)れ...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...周到に手帖を畳んで冥想(めいそう)していると...
海野十三 「人間灰」
...それともこの殺人犯人は用意周到にも...
江戸川乱歩 「悪霊」
...しかも用意周到におこなわれたことを...
江戸川乱歩 「怪人二十面相」
...周到に綿密に考慮してあり...
大下宇陀児 「乱歩分析」
...知らずや吾人が父祖の日本はスパルタのごとくまたスパルタよりも一層緻密(ちみつ)周到に軍隊組織の行き届きたる一の武備社会なりしことを...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...とに角彼の評論には徹頭徹尾自己弁解(小林ではないが――自己批判という字を使っているが「わざわざ別な云い方をする必要は何処にもない」)が用意周到に裏づけられているから...
戸坂潤 「思想としての文学」
...用意周到に事物の表裏を点検しなければならぬ...
戸坂潤 「読書法」
...伊藤公爵と雖も或は彼れの用意の周到に如かざるべし...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...一番殘酷な殺しを、用意周到に、萬に一つの間違ひもなく、陰險極まる方法でやり遂げてしまつたのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彼女はその父がきわめて用意周到に避けてきたいくつかの植物の匂いを平気で吸い...
ホーソーン Nathaniel Hawthorne 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...グラントは周到に罠が仕掛けられたことを知り始めた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...彼は各教区の創設時にまで遡ってその記録簿を極めて丹念周到に研究し...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...きわめて周到に指揮してゆくのである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...除服後の姫君たちの衣服その他を周到にそろえた贈り物をした...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...足なら足の一ところを叮嚀(ていねい)周到にタオルと石鹸を当てがい...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...出来る限り周到に研究しておかねばならぬ……と考えましたので...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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