...陸軍の先輩は非常にこの点に頭を悩まし、明治四十一年十二月軍隊内務書改正の折、その綱領に「服従は下級者の忠実なる義務心と崇高なる徳義心により、軍紀の必要を覚知したる観念に基づき、上官の正当なる命令、周到なる監督、およびその感化力と相俟って能(よ)くその目的を達し、衷心より出で形体に現われ、遂に弾丸雨飛の間に於て甘んじて身体を上官に致し、一意その指揮に従うものとす」と示したのである...
石原莞爾 「戦争史大観」
...学術的の取扱いかたとして周到な用意があったとはいいかねる...
津田左右吉 「日本に於ける支那学の使命」
...一つのことがらについても各方面各分科からの周到なる専門的な観察を綜合して考えることを怠らず...
津田左右吉 「日本に於ける支那学の使命」
...然れども皇帝は侯の剴切周到なる説明によりて...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...群情を駕御するの術との間に重力法を應用すること周到ならざるの迹あること是れなり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...常に出處進退に注意するの周到なるを信ずれども...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...且つ之れを確立するに於て周到なる意匠と慎重なる考慮を凝らし...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...すこぶる注意周到なる準備を為(な)すにあらざれば...
野中到 「寒中滞岳記」
...先の日平次の周到な調べに逢っても...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...用意なかなか周到なもので...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...万端周到な用意は出来た...
河本大作 「私が張作霖を殺した」
...少女を誘拐するとかいふことに全力をそそいで生き智識全般に亘つた周到な用意の下に常にさまざまな犯層を削り立ててゐるかも判りません...
室生犀星 「帆の世界」
...「彼は周到な史伝家である...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ないしは親切周到なる観察から出たものならまだしも...
柳田国男 「雪国の春」
...どれ程の周到な準備を整えてこの九大に来られたか……この実験に関する準備と研究のために...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...こうした彼の智慮と周到な用意も...
吉川英治 「上杉謙信」
...周到な情勢判断だけを握って...
吉川英治 「平の将門」
...吉野がそんな周到な気くばりを働かせていたのかと人々は驚いていたが...
吉川英治 「宮本武蔵」
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