...陸軍の先輩は非常にこの点に頭を悩まし、明治四十一年十二月軍隊内務書改正の折、その綱領に「服従は下級者の忠実なる義務心と崇高なる徳義心により、軍紀の必要を覚知したる観念に基づき、上官の正当なる命令、周到なる監督、およびその感化力と相俟って能(よ)くその目的を達し、衷心より出で形体に現われ、遂に弾丸雨飛の間に於て甘んじて身体を上官に致し、一意その指揮に従うものとす」と示したのである...
石原莞爾 「戦争史大観」
...その態度はいつも研究的に周到な用意をもって歩一歩と進んだ人 歌を遣るにも...
伊藤左千夫 「子規と和歌」
...周到な計画のもとにひそかに行なう彼の犯罪のみいりは...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「オスカー・ブロズキー事件」
...大に警察の探査を補助し得たことはもちろん、更にあるいは、この欧羅巴(ヨーロッパ)最初の犯罪取扱業者の、精錬された観察と、周到な活動は、警察力以上もの偉力を発揮したかもしれなかった...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「空家の冒険」
...その周到な用意を吾々は感謝した...
豊島与志雄 「北極のアムンセン」
...或いは中にいる人の用心が周到なので近寄れなかったものと見えます...
中里介山 「大菩薩峠」
...縄がゆるむと間違えが出来るだ」周到な用心と警戒の下に...
中里介山 「大菩薩峠」
...周到な用意を伴った誠心誠意よりも...
中島敦 「南島譚」
...本人よりも親(おや)の方が遥かに周到な注意を払つてゐると云ふ事...
夏目漱石 「それから」
...而も着實周到な處世家であるのと大體幸運に惠まれた家であるために...
南部修太郎 「自分のこと」
...小松ほどの周到な男が...
久生十蘭 「ハムレット」
...もっとも周到なる総監の肖像画であると舌を捲くであろう...
久生十蘭 「魔都」
...周到な陰謀があると言わざるをえんな...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...卷末の用意周到なる索引は...
本多靜六 「大植物圖鑑」
...それを普通のことのように思ってしまわれるのが危険ですからね」こんな周到な注意が実子の姫君には払われているのを...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...少女を誘拐するとかいふことに全力をそそいで生き智識全般に亘つた周到な用意の下に常にさまざまな犯層を削り立ててゐるかも判りません...
室生犀星 「帆の世界」
...吉野がそんな周到な気くばりを働かせていたのかと人々は驚いていたが...
吉川英治 「宮本武蔵」
...周到な考察を受けている...
和辻哲郎 「孔子」
便利!手書き漢字入力検索