...彦七は何一つ残らぬ焼け跡に呆然と立つてその醜い顔を引きゆがめてゐました...
伊藤野枝 「火つけ彦七」
...呆然として学校の為すままに任して...
内田魯庵 「四十年前」
...事の意外に呆然としている...
海野十三 「地獄の使者」
...三人とも呆然として足を止めた...
C. スミス C. Smith The Creative CAT 訳 「西洋科学は素晴らしい」
...私たちは呆然とするばかりです...
太宰治 「風の便り」
...劉東夏と禹徳淳は呆然と見守っている...
林不忘 「安重根」
...」彼は呆然と目をみはった...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...」私は呆然とした...
豊島与志雄 「小さき花にも」
...自分は呆然として却て物珍らしく彼方此方(かなたこなた)を眺めながら歩いて行くと偶然にも向うから來掛る宇田流水に出會つた...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...二人は室の中にはいりながら呆然として居ましたが...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...彼女を呆然とさせた...
牧野信一 「鏡地獄」
...呆然と天井を覗める...
牧野信一 「爪」
...彼は、呆然とした...
牧野信一 「籔のほとり」
...M・Yのように金持にまで成った男は呆然として消え去る財源を見守るでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それを呆然として見守つてゐる留吉である)利助 (掘割の傍にペツタリ坐つたまま)お雪!(留吉は先程から黙つてお雪を見詰めたまゝ...
三好十郎 「地熱」
...では……徳市は呆然と見送っていたが忽ち恐ろしい顔になった...
夢野久作 「黒白ストーリー」
...如何にも憂鬱な淋しい顔で、暫くの間呆然と、四方の煉瓦塀や、足元の砂を見まわしていたが、そのうちにフト自分の足の下の砂の中から何やら発見したらしく、急に眼をキラキラと光らして拾い上げると、両手の間に挟んでクルクルと揉(も)んでから、眩(まぶ)しい太陽に透かしてみた...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...呆然となって正木博士を振り返りつつ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
便利!手書き漢字入力検索