...所在無げな顏をして呆然と門口に立つゐた...
石川啄木 「天鵞絨」
...彦七は何一つ残らぬ焼け跡に呆然と立つてその醜い顔を引きゆがめてゐました...
伊藤野枝 「火つけ彦七」
...車から下りて呆然と崖の底をジッと見下ろした...
海野十三 「蠅男」
...呆然として立ちつくしていたが...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...刀を手にして呆然と立っていた平太郎が妖怪と見あやまって切りつけた...
田中貢太郎 「魔王物語」
...子供達の呆然と眼を瞠(みは)り立つてゐる対岸を尻眼にかけて疾駆し去るのであつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...半ばは呆然として房一の行つた方を眺めてゐた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...呆然として立っていた...
直木三十五 「南国太平記」
...それはいけませんワ、父と、花房さんと、千種さんが在(いら)っしゃるんです――エ? ――謄本(コピー)は? 御存じない、どうしても――」花枝は受話器を握ったまま、途方に暮れて、呆然と父の顔、花房探偵の顔、千種十次郎の顔を順々と見廻しました...
野村胡堂 「女記者の役割」
...呆然として我を忘れた石川良右衛門に返しました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...寺内氏はただ呆然として...
橋本五郎 「地図にない街」
...私は荷物を背負ったまま呆然としてしまった...
林芙美子 「新版 放浪記」
...何億万光年といふ観念は私の魂を呆然とさせた...
原民喜 「星のわななき」
...あまりに突然の出来事に呆然として...
牧野信一 「夜見の巻」
...……私は呆然としてその二つの目をながめた...
山川方夫 「博士の目」
...電車がごとごとその上を辷っていくのを見たときの呆然とした自分...
横光利一 「夜の靴」
...呆然とした顔つきで...
蘭郁二郎 「宇宙爆撃」
...木曾は愕然としたあとの呆然とした気持だった...
蘭郁二郎 「宇宙爆撃」
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