...所在無げな顏をして呆然と門口に立つゐた...
石川啄木 「天鵞絨」
...長谷部大尉は、受信紙をみつめて、呆然としながら、「いやあ、私もちかごろ焼が廻ったことがわかりました...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...妾はそれ等をただ呆然と見つめているばかりだった...
海野十三 「三人の双生児」
...呆然としてしまった...
海野十三 「三人の双生児」
...魂を奪われた人のように呆然と成行を眺めて居たのである...
海野十三 「蠅男」
...私は机の前に呆然と坐って...
太宰治 「鴎」
...その学校の裏に廻つてみて、私は、呆然とした...
太宰治 「津軽」
...一同呆然と見守っている...
林不忘 「安重根」
...この火事を呆然として見ていれば全市は数時間で火の海になる事は請合いである...
寺田寅彦 「烏瓜の花と蛾」
...余は呆然として此周圍に見とれてしまつた...
長塚節 「彌彦山」
...縁側で呆然と見て居る鶴屋利右衞門の喉笛(のどぶえ)へグサと突つ立つたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...今も私は空殻のやうになつて呆然とあの愚かな夢を追ひながら...
牧野信一 「鱗雲」
...若者はたゞ呆然としてゐた...
牧野信一 「パンアテナイア祭の夢」
...あまりに突然の出来事に呆然として...
牧野信一 「夜見の巻」
...呆然と顔を上げて...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...署名さるるばかりの段取りとなっておるので御座います」私は又も呆然となった...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...ロダン後援会の人々でさえ呆然としてしまったのだそうです...
吉行エイスケ 「バルザックの寝巻姿」
...「一体これは……」中野が呆然と立ちすくんでいると...
蘭郁二郎 「地図にない島」
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