...武者修行者は、巨人とか、魔法使とか、火を吹く竜とか、あるいはそれに似たもので簡単に退治できる敵と戦いさえすればよかったし、鉄や真鍮(しんちゅう)でできた門を通り、鉄石の壁をこえ、城の本丸に入りこみ、意中の女がとじこめられているところに行けばよかった...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「スリーピー・ホローの伝説」
...神風(かみかぜ)の吹く伊勢の海の大きな石に這い(まわ)つている細螺(しただみ)のように這いつてやつつけてしまうぞ...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...この東風の吹くということはとりもなおさず時候の変化につれて起って来た現象の一つであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...蕭条(しょうじょう)たる秋風の吹くころ...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...五十度以南から五十三度四分線以北くらいへかけては、風が東から吹く...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...わすれられたざくろが一つ(改作再録)・笹原の笹の葉のちらつく雪・雪ふりつもる水仙のほのかにも・かすかな音がつめたいかたすみ・茶の木の雪のおのがすがた・投げだしてこのからだの日向・どうすることもできない矛盾を風が吹く・つい嘘をいつてしまつて寒いぬかるみ三月十四日まつたく春だ...
種田山頭火 「其中日記」
...風が吹く、蒼茫として暮れる...
種田山頭火 「其中日記」
...巌頭に立つて黄銅のホルンを吹く者へ...
富永太郎 「遺産分配書」
...一秋風ぞ吹く白河の関の一夜...
中里介山 「大菩薩峠」
...我はもや石とならむず 石となりて つめたき海を沈み行かばや氷雨降り狐火燃えむ 冬の夜に われ石となる黒き小石に眼(め)瞑(と)づれば 氷の上を風が吹く われ石となりて轉(まろ)びて行くを腐れたる魚のまなこは 光なし 石となる日を待ちて吾がゐるたまきはる いのち寂しく見つめけり つめたき星の上に獨りゐて今迄和歌を作つたことのない私が...
中島敦 「かめれおん日記」
...煙草(たばこ)の煙を輪に吹く芸当に浮身(うきみ)をやつすなんざ天下泰平じゃありませんか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...川上の峨峨の出湯に至ること思ひ断つべき秋風ぞ吹くこれは大正十三年九月陸前青根に遊んだ時の作...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...蘆(あし)の笛を一声はっきりと吹く...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「ウスナの家」
...長い息で、いつまでも吹く...
水野葉舟 「遠野へ」
...若衆は笛を吹く...
森鴎外 「佐橋甚五郎」
...「婚約してからもうあしかけ三年くらいになるじゃないか」彼は口笛でも吹くように唇をまるくしました...
山本周五郎 「失蝶記」
...此の部屋はどうしてかう風が吹くんでせう...
横光利一 「蛾はどこにでもゐる」
...患者を心服せしめるためにホラを吹くとか...
和辻哲郎 「蝸牛の角」
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