...すると谷間から吹き上げる風が...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...あまりに茅が深いので、あまりに百合の香気が強いので、そしてその二つが、吹き上げる風に、まるで生あるかの如く揺れているので、恐ろしくなった...
石川欣一 「可愛い山」
...黙って紫の煙を空に吹き上げるに限る...
石川欣一 「可愛い山」
...わが国の全艦隊を天空(てんくう)一哩(マイル)の上へまで吹き上げることが出来るのである...
海野十三 「諜報中継局」
...谷から峰へ吹き上げるうら葉が...
中里介山 「大菩薩峠」
...下から泥を吹き上げる...
夏目漱石 「永日小品」
...吹き上げる泡(あわ)と脚(あし)を洗う流れとで...
夏目漱石 「行人」
...一度に五六筋の柱を花火のように吹き上げる噴水まで添えてあった...
夏目漱石 「明暗」
...鬼の国から吹き上げる風が石の壁の破(わ)れ目(め)を通って小(ささ)やかなカンテラを煽(あお)るからたださえ暗い室(へや)の天井も四隅(よすみ)も煤色(すすいろ)の油煙(ゆえん)で渦巻(うずま)いて動いているように見える...
夏目漱石 「倫敦塔」
...眉を燒いて吹き上げる焔の渦...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...吹き上げる十二月の風に...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...凍(いて)つくやうな風が吹き上げる縞羅紗(しまらしや)の外套を...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...谷を吹き上げる南風がトリカブトの群落をなでて...
細井吉造 「二つの松川」
...吹き上げる焔(ほのお)にちらついていた...
本庄陸男 「石狩川」
...几帳(きちょう)などを風が乱暴に吹き上げるため中の君は向こうのほうへはいった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...天井に吹き上げる煙草の烟(けむり)と共に...
夢野久作 「鉄鎚」
...ナナの煙を一ぷく吹き上げると間もなく...
夢野久作 「少女地獄」
...椅子の上に反(そ)り返って濃い煙をあとからあとから吹き上げると...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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