...うらさびしく秋風の吹きわたるその小さな港町の桟橋に...
有島武郎 「或る女」
...東風の地に吹きわたる所の路はいずこぞや」とある...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...わたしの住まいのうえをすぎる風は山々の背を吹きわたる風のようで...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...自由な風がそのうえを吹きわたるのを聞くのはたのしかった...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...フランスを吹きわたるどの風も徒らにその案山子たちの襤褸をはたはたと振り動かすだけであった...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...秋風が白く吹きわたるころになると...
徳田秋声 「縮図」
......
長塚節 「長塚節歌集 上」
...この廢墟を吹きわたる蕭條たる風の音を...
萩原朔太郎 「宿命」
...草原を風が吹きわたるような...
山本周五郎 「季節のない街」
...吹きわたる風が、この人々の袴(はかま)の裾をひるがえし、さやさやと夏草の葉ずれの音をたてていた...
山本周五郎 「新潮記」
...乾いた風の吹きわたる埃立(ほこりだ)った道などが眼にうかんだ...
山本周五郎 「柳橋物語」
...すさまじく野分(のわき)の吹きわたる夜だった...
山本周五郎 「柳橋物語」
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