...――空(そら)から吹きおろす無邊(むへん)の風の聲がいふ...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...玉置山のかなたよりさと身隱れて眞下(まくだ)りに吹きおろすらむ熊野浦...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...夜はときどき六甲の方から吹きおろす風が...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...夜はとき/″\六甲の方から吹きおろす風が...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...・湯けむりの梅のまつさかり・うりものと書かれて岩のうららかな・枯野風ふくお日様のぞいた・のぼつたりくだつたり濡れても寒くはない雨の・蕗のとうここで休まう・山霧ふかく風車のまはるでもなく牧水に・ずんぶり濡れてけふも旅ゆく(幾山河……)・山のなか山が見えない霧のなか行く・草枯れてほんによい岩がところ/″\由布越・吹きおろす風をまともに吹きとばされまいぞ三月廿二日 好晴...
種田山頭火 「道中記」
...ゴオと吹きおろす凩の音に...
田山録弥 「田舎からの手紙」
...外洋の霧は山陰の梢を吹きあげて蓬々として更に吹きおろす...
長塚節 「鉛筆日抄」
...九月の風がサッと吹きおろすと...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...ヘルゼッゲンの峰越しに吹きおろす風のために...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「メールストロムの旋渦」
...吹きおろす夜風も受けながしていた...
本庄陸男 「石狩川」
...ほの/\と有明の月の月影は紅葉吹きおろす山おろしの風 (信明)これも客觀的の歌にてけしきも淋しく艶なるに語を疊みかけて調子取りたる處いとめづらかに覺え候...
正岡子規 「歌よみに與ふる書」
...ほのぼのと有明の月の月影に紅葉吹きおろす山おろしの風(信明(のぶあき))これも客観的の歌にて...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...ほのぼのと有明の月の月影は紅葉吹きおろす山おろしの風 (信明)これも客観的の歌にて...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...ただシュロッス小路を吹きおろす風の音と...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「悩みのひととき」
...北がわにのしかかる信濃丘陵から雪をまじえて吹きおろす風のために...
山本周五郎 「日本婦道記」
...とたんに御本丸から吹きおろす大体颪(ねおろし)に...
夢野久作 「名君忠之」
...人々の着ている蓑(みの)は、吹きおろす風、返す風に、みな針鼠(はりねずみ)のように戦(そよ)ぎ立った...
吉川英治 「新書太閤記」
...夜もすがら花頂山のいただきから吹きおろす風や...
吉川英治 「親鸞」
便利!手書き漢字入力検索