...それから吸物の椀(わん)を持つた儘...
芥川龍之介 「東京小品」
...さて神使へ烟盆(たばこぼん)茶吸物膳部をいだし...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...勝手に吸物(すいもの)椀(わん)の蓋をとって...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...先ほど誂えた初茸(はつたけ)の吸物もまたは銚子(ちょうし)の代りさえ更に持って来ない始末である...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...老人は白魚の吸物を二杯までかえたが...
永井荷風 「春雨の夜」
...」と重吉は落し玉子の吸物を一息(ひといき)に半分ほど飲み干した...
永井荷風 「ひかげの花」
...その次の中は今度はお吸物ではない...
中里介山 「大菩薩峠」
...飲める奴なら吸物椀で十三杯も...
中里介山 「大菩薩峠」
...「それだけで今日まで経過して来られたのですか」と私は吸物をすすりながら念のために訊(き)いて見た...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...自分はやむをえず、吸物を吸ったり、刺身を突(つっ)ついたりした...
夏目漱石 「行人」
...吸物わん 参拾銭 二箇...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...平たい大皿を懐中し吸物椀(すいものわん)の蓋(ふた)を袂(たもと)にする者もある...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...吸物の淡いのは食塩を加えて直ぐに味を直せますけれども鹹過(からす)ぎたのへお湯を注すとまるで味が抜けてしまいます...
村井弦斎 「食道楽」
...十二月廿二日「右御用掛無滞相勤候に付銀二枚御酒御吸物被下置...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...八月十五日順承(ゆきつぐ)は重臣を以て成善に「御召御紋御羽織並御酒御吸物」を賞賜した...
森鴎外 「渋江抽斎」
...御佳例(ごかれい)の鶴の御吸物が...
山本周五郎 「日本婦道記」
...一人前が吸物付きで十銭そこそこ...
山本笑月 「明治世相百話」
...」食事中に吸物の出来るようストーブにかけて三人は御飯を初めにかかった...
横光利一 「旅愁」
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